今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月12日 「ごまのはえにかける期待」
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今回のチューズデーレターは「ごまのはえにかける期待」という事で、去年の「競作・チェーホフ」審査員の方々よりコメントをいただきました。



「ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』」
  菊川 徳之助(近畿大学舞台芸術特任教授)

ごまのはえ、という名前がよく話題になる。
何故こんな名前を付けたのか。
鼠小僧次郎吉や石川五右衛門なら許せるといったものでもないかもしれないが、ごまのはえは、変えた方がよい、という意見もある。
だが、ごまのはえを名乗り続けている。
今は、したたかな命名になっているのかもしれない。
昨年の「競作・チェーホフ」での三人の演出家による競演での、演出ごまのはえの冴えは相当なものだった。
チェーホフ劇にビデオ映像や歌謡曲を持ち込むのだから
(影のウワサでは審査員があの曲を好きだったから使ったとか)。
いや、見方によっては、ふざけた、瑣末なアイデアに見えたかもしれないが、そこを(ふざけには違いないが)チャチな遊びのみに終らせないのが、ごまのはえの稼業に住みついている巧みさと言えそうだ。
そのごまのはえ君が、『三人姉妹』をケレン味なくやるというウワサもあるが、彼にフザケのないチェーホフがやれるのか、楽しみである。
好みとしては、やはり、<ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』>が見たいものであるが。



「ごまのはえ」という名の才能
  小堀純(編集者)

あれは三年前か、ごまのはえが「ヒラカタ・ノート」でKyoto演劇フェスティバルの第1回新・KYOTO演劇大賞を受賞したとき、私は幸か不幸か審査員をしていた。
「ヒラカタ・ノート」は第12回OMS戯曲賞の特別賞に輝いた傑作である。
OMS戯曲賞の<特別賞>は、第2回の松田正隆「海と日傘」以来の快挙であった。
ごまのはえは、その後のぶんげいマスターピース工房2007 特別公演「競作・チェーホフ」でも最優秀だった。
私もそうだが、「ごまのはえ」という名前に違和感を憶える人は多かった。
「作家の名前じゃない」「呼ぶのに抵抗がある」etc・・・・。
演劇人や演劇ファンは、意外とマジメである。
不マジメなこと、くだらないこと、異端なことが好きなくせに、先入観でモノをみる嫌いがある。
思えば、ごまのはえがOMS戯曲賞で初めて最終選考に残ったのは第7回(2000年)の「風と共にドリフ」であった。
現在を予感するに充分な“すべてが嘘でキッチュな世界”(渡辺えり子氏/現・渡辺えり氏選評)。
あれから8年。ごまのはえは相変わらず、“嘘でキッチュ”だ。
変わったのは、まわりである。
「ごまのはえ」は誰もが、したたかな劇作家であり、演出家の名前だということを知ってしまった。
そうして、そういう状況を裏切るのがごまである。
チェーホフから何を掠め取り、みる者をだますのか。
誰にもマネできない異能ぶりに、いやでも眼がいってしまうのだ。



「ごまチェーホフ!?」
  土屋安見(京都労演事務局長)

チェーホフって面白い!!
そう思わせてくれる舞台になかなか出会ったことがない。
チェーホフで面白い舞台を創るのはなかなかに難しい。
めだった事件は起こらず、そこにはただ、幻想にとらわれ、
あるいは幻滅を抱えて生きる人間たちの日常が流れていく――
あれ? これって、ごまさんの描く世界に似てる!?
ごまさんの演出はあざとい、と私は思う。
昨年の『競作・チェーホフ』でのビデオ映像や歌謡曲の使い方もそうだった。
でも、そのあざとさを味方にしてしまうんですよね、
ごまさんって。したたかです。
おおいにふざけて遊んでいるように見せながら、実はその後ろにしなやかでナイーブな感性を潜ませる。
ずるいんです。
さてチェーホフの名作『三人姉妹』。
大作です。
そこに生きる登場人物たちをどう料理し、その心の奥から何を引っ張り出して見せてくれるのか。
ごまチェーホフの世界に、見事観客をおとしいれてくれるのを、楽しみにしています。



みなさん、様々な思いを持ちつつもごまのはえにかける期待は高いですね!
従来の三人姉妹とは一味も二味も違う作品になりそうですね。
チケットは絶賛発売中!!!
お見逃しなく。




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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

□PR 観劇が更に楽しくなる「ぶんげい演劇工房」も開催中!
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2008.08.12. 09:54 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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大木湖南 as クルイギン(フョードル・イーリイチ)
1995年佛教大学と同時に学生劇団「紫」に入団、ごまのはえを筆頭に個性的な俳優達に出会う。1999年ごまのはえ等と共に劇団ニットキャップシアターを旗揚げ。以降、ニットキャップシアターのほぼ全ての作品に出演。
2007年には初の海外公演を上海で行なう。
主な出演作品は「喉骨のフルート」「男亡者の泣きぬるところ」「愛のテール」など。





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尾方宣久 as ソリョーヌイ(ワシーリイ・ワシーリエヴィチ)
1973年2月13日生まれ 福岡県出身 MONO所属。
立命館大学の学生劇団「立命芸術劇場」を退団後、1994年よりMONOに参加。第14回公演『路上生活者』(作・演出:土田英生)以降の全作品に出演。その他、売込隊ビーム「最前線にて待機」(作・演出:横山拓也)、演劇計画2007『生きてるものはいないのか』(作・演出:前田司郎)、魚灯『善人の靴下』(作・演出:山岡徳貴子)などの舞台にも出演している。
第8回関西現代演劇俳優賞男優受賞





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岡部尚子 as イリーナ(俗にはアリーナ)
1974年11月5日生まれ
1997年ランニングシアターダッシュ入団
2005年の解散まで全作品に役者として出演。
番外公演として、3作品の作・演出も務める。

2007年空晴 旗揚げ
作・演出・役者・制作も兼ねた、劇団代表となる。

売込隊ビーム・スクエア・デス電所等関西の劇団にに客演したり、東京の劇団、ストレイドッグでは自身の過去の作品の演出をするなど、役者だけでなく、作家・演出家として外部でも活動。





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キタモトマサヤ as チェブトイキン(イワン・ロマーノヴィチ)
演出家・劇作家
遊劇体主宰
自ら演出する舞台には、たまに出演することはあるが、純粋に俳優としての参加は、1997年人間座『霞の谷に』以来、実に11年振りになる。
とても不安な気持ちでいっぱいです。





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高澤理恵 as フェラポント
北海道札幌市出身。
1999年早稲田大学観世会入会。観世流シテ方清水寛二師に指導を受ける。
2005年ク・ナウカシアターカンパニー入団。
能の経験と楽器演奏を武器に、東京の他パリ、インドなど海外公演にも参加。
2007年、劇団の活動休止と同時に京都に移住、今年より京都を拠点に活動を開始。今回の『三人姉妹』が京都初舞台となる。
11月には、アトリエ劇研プロデュースVOL.1『書庫(仮)』(作・演出/田辺剛)への出演も決まっている。





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長田美穂 as アンフィーサ
《舞台》
2006.9ぶんげいマスタービース工房Vol.1菊川徳之助演出ブレヒト「白墨の輪」京都府立文芸会館
2007.4笠井心演出、中島貞夫監督監修「KYOTO大正ラプソディー」中也100プロジェクト 京都府立文芸会館
2008.3村上弘子演出チェーホフ「頭取閣下と記念祭」アトリエ劇研
《映画》日韓合同映画「風のファイター」他
《TVドラマ》まんてん、恋する京都、赤い月、命の現場、暖流、他多数
《バラエティー》魔法のレストラン、ちちんぷいぷい、たかじんのどこまでやって委員会他多数
《Vシネ》ミナミの帝王
《VP》佐川急便、青汁、他多数
《CM》マクドナルド、日本直販、伊東マンション、藤商事、延田グループ、未来環境株式会社、J.comエコCM、京都府自動車税CM、京都府知事選挙CM、ダイヤモンドクリーニング他





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長沼久美子 as マーシャ(正式にはマリーヤ)
桐朋学園大学演劇科、青年座研究所を卒業後、裏表問わずフリーで活動。数々の稽古場を見学、お手伝いするうちに、気がつけば主に裏方スタッフとして全国をどさ回る泥まみれの20代前半。裏方の世界も魅力的だったが、俳優業に専念すべく裏方世界にさよなら、一転、花の芸能界へ足を踏み入れる。プロダクション所属。映像、声優業へと活動の幅を広げる。2003年鈴江俊郎率いる劇団八時半への客演をきっかけに正式入団、本拠地を京都へ移す。以降07年の劇団活動休止までの全作品に出演。その他劇団外の作品にも積極的に参加している。ごま氏とは、ニットキャップシアター「お彼岸の魚」への客演以来、2度目のお付き合いとなる。





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日詰千栄 as オーリガ(愛称:オーリャ)
昨年のぶんげいマスターピース工房 競作・チェーホフ『結婚申込』に引き続いての出演。
同志社大学入学と同時に劇団そとばこまちに所属。2001年退団後、フリー。
ひょろりと長い手足を武器におかしみを醸し出す役者として、数々の舞台や映像作品に出演。
独特ののびやかな声、地を這うようなゼロリとした声など七色の声を使い分け、歌手としてライブ活動も行う。
また女性ばかりの祇園囃子集団、平成女鉾清音会(へいせいおんなぼこさやねかい)の囃子方として、鉦や太鼓を叩く一面も。





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平岡秀幸 as ヴェルシーニン(アレクサンドル・イグナーチエヴィチ)
毛利菊枝演劇研究所修了、劇団くるみ座を経てフリーの俳優となる。演劇、バレエ、オペラ、舞踊、テレビドラマなど活動のジャンルは多岐にわたる。2005年文化庁在外研修員として渡英ロンドンにて研修を受ける。
京都市立芸術大学非常勤講師、大阪音楽大学非常勤講師、京都府立精神保健センター演劇プログラム講師。





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F・ジャパン as トゥーゼンバフ(ニコライ・リヴォーヴィチ)
佛教大学在学中、バンド「ピロティ」で活動する傍ら、フリーペー パー「バッグマガジン」にエッセイを連載。同誌で同じく連載していた劇団衛星代表・蓮行と出会い、演劇の世界へフェードイン。
2000年より劇団衛星入団。
劇団活動以外にも、マレビトの会等の演劇公演やダンス公演、テレビ・映画等、外部出演も多数。また、各種イベントへの出演や一人舞台の上演、ワークショップ講師なども務める。





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安田一平 as アンドレイ(セルゲーヴィチ・プロゾーロフ)
2001年よりニットキャップシアターに所属。
以降、劇団のほとんどの作品に出演。
2005年、「新・KYOTO演劇大賞」において「演技賞」を受賞。





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弓井茉那 as ナターシャ(ナターリャ・イワーノブナ)
1985年 京都府生まれ。
高校生の折、井土紀州監督、映画「ラザロ」に出演したことがきっかけで俳優活動を始める。
2004年劇団カウボーイダンス旗揚げに参加、所属。2006年解散。

2004年京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科 映像芸術コース入学。
故・佐藤真に学び、ドキュメンタリー制作を専攻する。
並行して、俳優向けの授業を履修。スタニスフラスキーメソッドと出会う。又、アトリエ劇研が主催するアクターズラボで学ぶ。

在学中に松田正隆演出 授業発表公演「Re:島式」出演。 コント企画弱男ユニットなど自主企画公演、またBaby-Peeなど学外の公演に出演。 林海象監督ネットムービー「探偵事務所5 2ndシーズン 送り火右・左」出演。 卒業制作、ドキュメンタリー「探し影」製作。
2008年修了。




※氏名の五十音順


2008.08.10. 16:21 | 出演者プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「三人姉妹」制作部です。

先日もこのブログにアップしていた「三人姉妹」の立て看板ですが、来られていないお客様に大きさが分かるよう、演出家のごまのはえ先生にモデルをお願いしまして、一般ワークショップの記録写真を撮りに来て下さっていたカメラマンに撮ってもらいました。

たいへんシンプルででっかい看板(おそらく会館史上初)ですが、実は近づくと手作り感満載です。
公演日が近づきましたら、また新たな(ぴかぴかの?)看板を立てる予定です。

なぜかシリーズ化されていく看板記事もとい看板に関する記事にもご注目下さい。


さて、看板と戯れているばかりでなくごまさんは稽古場で役者たちと芝居を面白くする為、日夜格闘しています。
その様子は、本日、8月6日(水)19時からの公開稽古で実際にご覧になれます。

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◆ 公開稽古
日程:8月6日(水)19:00-21:00 ※30分前受付開始 
会場:京都府立文化芸術会館ホール
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演出と俳優の共同作業をそのままお見せします。
公演当日では見られないものが、現場にはあります。
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鑑賞無料・申込も不要ですので、看板も見がてら、お気軽に会場へお越し下さい!
2008.08.06. 09:31 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
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★ 8月5日 「公開稽古を行なうにあたって」
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はじめまして、今回「三人姉妹」でクルイギン役を任されております、大木湖南です。

僕は、演出ごまのはえの主宰するニットキャップシアターという劇団に所属しておりまして、去年の「競作・チェーホフ」にも、ごま組として、オーリガ役の日詰千栄さんと共に出演させていただきました。
あれは「結婚申込」。夏の盛りの稽古場で、大声張り上げて、はっちゃけまくってました。
そして、それがまたこうして文芸の舞台に戻って来る事に繋がったというのは、大変幸せなことであります。

さて、そんなごま組直参の僕が、三日に行われた永田靖先生の学芸講座に行ってきました!
会場へ入ると、まずは、いくつかの資料が手渡されました。

 「戯曲の一部、(一幕冒頭と二幕の一部)」
 「三人姉妹のプロット」
 「三人姉妹・初演の舞台図」
 
これらの資料を使って、永田先生が「三人姉妹」を丁寧に解いていきます。
チェーホフの戯曲の特徴・「三人姉妹」の中にある、いくつかの主題・モスクワ芸術座での初演について…
「三人姉妹」の初演はスタニスラフスキーが手がけていたなんて、知りませんでした。恥ずかしながら。
ちなみに、スタニスラフスキーって芸名なんだそうですよ。
一通り講義が終わると、蜷川幸雄演出の「三人姉妹」を観賞。講座に来ていた出演者は、目を皿のようにして見ました。
僕も、どんな人がクルイギンやってるのかな〜?とか思ったり。(多分、他の皆も。)
講義の終わり際に永田先生が「演出家とは、まず戯曲に向き合い、それから、各々の切り口で戯曲を立ち上げていくものである」という旨の話をなされました。
講座にきていたごまのはえは「三人姉妹」をどんな風に立ち上げるんでしょうね〜。

という事で、8月6日に行われる、公開稽古についても、がっつり触れておきましょう!

見どころ1
今回の舞台はとっても変わった形、構造をしてまして、稽古はその舞台を想定して行われています。
ごまのはえが「三人姉妹」を大胆に自分流にしてやろう!っていう気構えがまず舞台美術に現れているんですね。はい。
本番前に舞台構造を知っておくのも、また一興じゃないでしょうか。

見どころ2
稽古はそんな舞台に負けない個性派たちが奮闘しています。
ごまのはえ演出の特徴は「濃い」こと。
彼自身も濃いですが、演出も「濃い」。
そして、「濃い人」が好きなんです。
たとえて言うと「とんこつラーメンにカレーをかけて食う」こんな感じです。
そしてまた、バカなことをさせるんです。濃い人に。「替え歌」とか。

見どころ3
変更
稽古場では台本に書いてあることが、どんどん変更されていきます。
その全てがごま流なので、そういった変更を言い渡される度に、「なんでこんな事を思いつくのか」という気持ちになります。
「何故、こんなくだらない事を思いつくんだ?」と。
そんなアイデアが生まれる瞬間を見るのも、オツなものでしょう?

本番はあと一ヶ月をきって、稽古場も勢いづいて来ています。ぜひ一度稽古を見に来てください、本番がより楽しめること請け合いです。
クルイギン役、大木湖南からのお知らせでした!

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大木さん、ありがとうございます!
ぶんげい演劇工房でのみ販売される「指定席券」は、もちろん公開稽古でも販売します。
実際の公演会場を見て席を選べる唯一のチャンスをお見逃しなく!


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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

□PR 観劇が更に楽しくなる「ぶんげい演劇工房」も開催中!
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2008.08.05. 15:05 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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中川酒店さんにフライヤーを置かせて頂きました〜!

おすすめはソーキそばと生うみぶどうです!
場所は出町柳から徒歩5分。
観劇帰りに是非どうぞ!


<中川酒店(出町柳店)>
河原町今出川上ル葵橋西詰仲ハウス1F

http://www.nakagawasaketen.com

安田一平
2008.08.04. 03:18 | 街置きチラシガイド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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