今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月27日 「稽古場レポート Vol.3【後半】」
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いよいよ本番まであと3日に迫りました。
役者さんたちもいろんなプレッシャーと戦いながら、本番に向けてどんどんいい顔になっていってます。
昨日に引き続き、「稽古場レポート Vol.3」残りの6名のレポートをどうぞ!




長沼久美子 as マーシャ(正式にはマリーヤ)

広い和室での稽古は学生時代の合宿を思い起こさせ、
1Fのカフェグリシンで珈琲にドーナツを付けてソファーから中庭を眺めてる時は、人並みの生活ができるようになったとしみじみしてみたり、
家から持ってきた水筒に冷水機の水を醜いほど何回もお替わりしている時は、昔と変わってないと不安になってみたり。
自分再発見、そして初心に戻らされた夏でした。
それくらい長い稽古期間でありました。
この後はあっという間に、驚くほどあっという間に過ぎ去っていくのだろうな。
早くやりたくてウズウズしてます。



日詰千栄 as オーリガ(愛称:オーリャ)

私の演じるオーリガは、三人姉妹(弟も入れると四人姉弟)の長女です。
これまで色んな女優さんが演じてこられたオーリガ役。
よっぽど華々しい役だと思っていたら、演ってびっくり。
ひと癖ある登場人物達に苦労かけられっぱなしです。
これまで演じてこられた歴代の女優さん達に、同情と連帯感を感じます。
果たして私は最後の名台詞
「生きていきましょうね」にたどり着けるのでしょうか?

ごま版オーリガの細腕繁盛記っぷりを、どうぞお楽しみに。



平岡秀幸 as ヴェルシーニン(アレクサンドル・イグナーチエヴィチ)

・・・・・・



F・ジャパン as トゥーゼンバフ(ニコライ・リヴォーヴィチ)

振り返ってみればこの三人姉妹のお芝居の稽古期間中、ぼくは一時だって気の休まることはありませんでした。
つまり、稽古場での安らぎが足りなかったのです。
…実は、クルイギン役の大木湖南さんというのが色々とドSな面がありましてね。この三人姉妹の稽古が始まった当初からスキあらばぼくの乳首をつねろうとたくらんでいるのです。
いっつも!
いや失礼。そんなことはいいとして。
ぼくは稽古場でよくこんなことを考えます――男性の乳首は一体何のためについているのか? とね。
もし乳首が取り外し可能だったら!
もしそうなったら、ぼくはそっと外すでしょう。
そして、おそらく、稽古中は乳首を付けないでしょう。
…いや、決して!



安田一平 as アンドレイ(セルゲーヴィチ・プロゾーロフ)

6月から始まった稽古も終わり、いよいよ本番となりました。
とにかくあとはやるだけ。
見所はズバリ!
「全部」
どこをとっても、ごまのはえらしい三人姉妹になってると思います。
もちろん僕ら役者の中にも「ごまイズム」はあります。あります。
とにかくあとはやるだけ。
本番が楽しみです。



弓井茉那 as ナターシャ(ナターリャ・イワーノブナ)

「三人姉妹」は世界中で何度やっても何度見ても味わいつくせないおいしさがあると思いますが、ごま風味の「三人姉妹」も最初から最後までむしゃぶりつくして頂きたい作品になりそうです。
今回の稽古場で私は最年少ですが、年齢も性別も体格も全く違う大人たちが走り回ったりいたずらしたり悩んだりしながらシーンを形作っております。
バラバラな登場人物12人の共通点は全員が生きにくい世の中を精一杯もがいているということです。
私、ナターシャも誤解されやすいのですが例外ではなく…。
その様子、是非劇場まで笑いに来てください。
それでは劇場でお会い出来るのを楽しみにしております。




後半6名も読み応えのあるレポートありがとうございました。
そして、いよいよ今週末に本番です。
まだチケット購入していないお客様はお急ぎください。
予定がわからない方はぜひ予定調整をお願いします。
ぜひぜひお見逃しなく!!!

チケットは絶賛発売しております!!!
当日券も発売しますので、
ぜひぜひ京都府立文化芸術会館へ足をお運びください。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

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2008.08.27. 14:53 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月26日 「稽古場レポート Vol.3」
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いよいよ本番前の最終火曜日。
チューズデーレター最終号ということで、「稽古場レポート Vol.3」を出演者全員から頂きました。
まずはこの6名のレポートをどうぞ!




大木湖南 as クルイギン(フョードル・イーリイチ)

役者というものは、いかなる役であれ、真心を込めて演じる事が望ましいのでありまして、今回、共演させて頂いた方々は皆さん真心に溢れてました。
素晴らしい公演になると、確信しております。



尾方宣久 as ソリョーヌイ(ワシーリイ・ワシーリエヴィチ)

今日は衣装とメイクを実際に合わせてみる日だった。
みんな予想以上におかしな格好で、おかしかった。
特に安田くんが面白かったので、写真を撮ったんだけど、
ネタバレになるからここに載せるのはやめといた方がいい。
と思った。



岡部尚子 as イリーナ(俗にはアリーナ)

三人姉妹の三女のイリーナ役の岡部です。

イリーナは20歳です。私はオーバー30です。
イリーナはモテモテです。私はモテたことなどありません。
イリーナを形容する台詞にもたくさん出てきます。
「可愛いイリーナ」「私の白鳥さん」「美しい人」「うっとりするような髪の毛」「美しいあでやかな顔」
…。
実年齢より若い役をやったこともたくさんありますが、今までは「三枚目」だったり、登場人物が全員若い設定だったり…。
でも今回は違います。

更に小学4年以来伸ばしたことなどなく、ずーっとショートカットの髪の毛。
今回は…付け毛をする予定です。
ヘアメイクのイラストを見たとき、嘘だろうとつぶやきました。
共演者の日詰さんは声に出して笑っていました。
ファックさんもです。婚約者の役なのに。

何故私がイリーナなのか。

最大の疑問でした。
台詞の解釈よりも、難しい問題でした。
ずっとずっと、演出のごまっぺに聞こう聞こうと思いつつ、聞かぬまま今日に至ります。
もう聞かないほうがいいかなと最近では思いはじめています。
いや、やっぱり聞いたほうがいいのか。

「キャスティングには自信がある」的なことをごまのはえ氏が稽古場で言うてるのを小耳に挟みました。
それが答えか…。

…なんて書くと「マイナス」のイメージが強いかもしれませんが…。
今は楽しくて仕方ありません。
もうやることはないだろう「女の子」。
「女性」ではなく「女の子」。
最初は聞くたびに「ごめんなさい」と言いたくなった、イリーナを形容する私とはほど遠い台詞を聞くのも快感に変わっています。

私の話ばかりで終わってしまいましたが…。
あと数日、まだ数日。
最後まで気合い入れて走り抜けます。

階段落ちに気をつけながら。



キタモトマサヤ as チェブトイキン(イワン・ロマーノヴィチ)

俳優の立場で稽古場を過ごすことで、自然と自己の演出家としての存在を検証することとなりました。
また、ごまのはえという演出家の異能ぶりを楽しませていただいてます。
そうか、なるほどねという発見とおどろき。
本番の舞台の面白さへの期待が俳優のひとりとしても高まってきている今日このごろです。



高澤理恵 as フェラポント

フェラポントの見所はずばり衣装と小道具ですね。
見ただけでも面白いので、色んな動きをして遊んでいます。
全然おじいさんではありません。ポンコツですが。
楽しんでいただけるようにがんばります。
『三人姉妹』全体では見所満載で紹介しきれないのですが、告白のシーンが私は好きです。
ああ、でもやっぱり紹介しきれません。
どうぞ楽しみに劇場にいらしてください。



長田美穂 as アンフィーサ

ハ〜イmiho♪mihoことアンフィーサ役の長田美穂です。
チェーホフの「三人姉妹」を一味も二味も違ったごま演出は皆様を「ここは何処?」と果てしないごまワールドに率いれてくれることでしょう。
アンフィーサは、私もいつか…イヤ間近に迫ってる老、そして不安稽古中何度となくふと孤立感をも感じながら、アンフィーサを演じていました。
原作では、校長になったオーリガと明るく楽しく満足してる様が書かれているのですが本劇にはありません。
が、きっとその後は神様から幸せのエキスをたっぷりもらい若返って82才の恋をしているかもしれません。
お楽しみに♪〜




様々な角度からのレポート本当にありがとうございます。
そして、後半の6名は明日更新いたします!
最終号のチューズデーレターは前半、後半の2本立てです。
どうぞお楽しみに。

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ぜひぜひ京都府立文化芸術会館へ足をお運びください。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 
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学芸講座 8月27日(水) 19:00-21:00 「古典戯曲彩々」講師:椋平淳
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2008.08.26. 14:55 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月19日 「名作を観るおもしろさ」
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今回のチューズデーレターは「名作を観るおもしろさ」について。
昨年のドラマツルグであり、今年はぶんげい演劇工房の学芸講座にて、チェーホフや古典についての講座をしていただいているお三方に寄稿をお願いしました。


「‘演劇資源’としての古典戯曲」  椋平淳

興行として古典作品を取り上げるとき、オリジナル作品を上演する場合となにが異なるかというと、おそらく、事前の公演情報に目を向ける観客層の広がりが少なからず異なってくるように思う。

事実、この京都府立文化芸術会館で開催されてきた過去2年間の「ぶんげいマスターピース工房」では、初年度がブレヒト、昨年度はチェーホフの短編が上演されたのだが、いずれの場合も、出演している俳優が普段演じている小劇場的な芝居は観ないようなオールド演劇ファン(といっては失礼か??)の方々が客席を占める割合が、通常の興行時よりも多いように思える。無論、やがて開館40年を迎えるこの会館には「友の会」という会員制度があり、ご年配の顧客にも情報が直接届いている、という影響もあるのかもしれない。けれども、一般のメディアにしても、「あの劇作家の古典戯曲が新たな解釈でよみがえる!」っといったノリで、古典の公演を報道することはめずらしくない。最近では、関西の演出家や小劇場集団が国内外の古典戯曲に取り組むことも、絶対数は少ないながら継続的に行われている。その代表格の深津篤史氏率いる桃園会やキタモトマサヤ氏主宰の遊撃体、三浦基氏の地点などの客層は、以前と比べると年齢的な厚みを増しているように感じられる。つまり、その演出家や集団の古典上演を観たことがきっかけとなって、その集団の顧客となった方々が一定数おられるということだろう。

もちろん、古典上演のメリットは、観客層の拡大以外にも多方面にあるだろう。たとえば、自作や同時代の作品を演出することが多い現代の若手演出家は、異なる時代のドラマツルギーに立ち向かうことで、自らの演出手法を進化させる契機となるだろうし、そうした演出家と舞台製作をともにする俳優・スタッフたちも同様だろう。けれども、そうした個々の表現技術の向上という視点ではなく、むしろ、演劇文化全体の振興や将来像を念頭においた場合のほうが、古典の上演機会を増やすことの意味は大きいように思う。

たとえば地点は、すでにチェーホフ四大作品のレパートリー化を宣言している。こうした特定の集団だけでなく、年間公演数のかなりの割合を古典作品に割り振るような事業戦略をもった劇場が現れてもよいはずだ。地域の税金や寄付で運営されているアメリカの地域劇場のなかには、地元住民の観劇希望に応えるために、公演数の6〜7割を古典戯曲に割いているケースもある。その真似をめざすことは日本では簡単ではないし、またその必要もないのかもしれない。けれども、古典戯曲という‘演劇資源’の活用のしかたは、事業の企画レベルでもっと追求されてしかるべきだと思う。


「名作を観るおもしろさ」  岩崎正裕

劇作を志す者は、多かれ少なかれある時期に、オリジナリティーの壁に突き当たる。そもそもが「誰それ」の模倣から出発するので、「さて、自分の独自性とは何か」などと考えこんでしまうのだ。しかし、しばらくしてこの問いはナンセンスであることに気づく。人類が言語とコミュニティを持って以来、物語りは幾万幾億と語られ、語り尽くされ、今やスタイルの差異しか存在しないのだと。

もちろんこれは才能貧しき者の開き直りでしかないけれど、オリジナリティーの追求などにこだわっていると、身動きがとれなくなるのだ。そんなわけで、私は常々、古典からは堂々と借用引用すればいいと思っている。つい先日、幕が開いた新作もチェーホフ「桜の園」のアダプトを後半に盛り込んだ。

しかし、近代劇を古典と総称していいのかどうか、研究者でない私は戸惑う。テネシー・ウィリアムズは現代劇で、チェーホフは近代古典なのか。いずれにしろ、借用引用に向かう私の視線は、その作品の(作中の人物の)同時代性に注がれる。古典を原作の言葉通りに上演するにしても(海外戯曲の場合、翻訳というファクターはあるが)、台座に据えて崇め奉るような方法では意味がない。埃が被ったベールを剥ぎ取り、骨格の浮き出る裸体を白日のもとにさらけ出す。そんな上演に巡り合いたいし、また創作したいとも思う。


「『三人姉妹』について」  永田靖

チェーホフの『三人姉妹』(1901)は、『桜の園』(1904)と並んでチェーホフの最晩年の作品です。この作品はチェーホフの技巧が内容と密接に結びついて容易に真似ることのできない作品になっています。同時代の演劇の約束事を踏襲することは意図的に回避していて実験的であり続けています。

例えば、劇全体が含んでいるエピソードの数が多く、多岐に渡っていて、互いに脈絡がないものが多いのです。冒頭は、オーリガの一年前の回想から始まりますが、回想の途中にチェブトゥイキンとトゥーゼンバフが「馬鹿げた話」をしながら登場しますが、オーリガは、誰も本気にしては聞いていないのをいいことに、自分の話を止めません。妹のマーシャが本を読みながら口笛を吹いているので、オーリガはそれを諌めるのですが、するとオーリガは急に気分が変わり、毎日の耐え切れない憂さを話し始めます。末妹のイリーナだけは明るい未来を信じていて、モスクワに行けば、自己実現のできる仕事にも、真実の愛にも、出会えると考えて屈託がありません。ですがチェブトゥイキンは抜け毛治療の新聞記事に気を取られています。

この冒頭からしてほとんど芝居にはならないエピソードで満ちていますし、一つ一つのエピソードがエピソードになる前に次のエピソードへと移り変わって行ってしまい、落ち着きません。『三人姉妹』には、およそ劇的なプロットは少なく、第3幕に火事、第4幕に決闘と別れの場面があるばかりです。サスペンスがあるわけでもなく、日常の出来事の数々が描かれていくだけです。ですが、この冒頭の日は、イリーナの20歳の名の日(言わば誕生日)のお祝いの日でもあり、これから皆が集まって食事会が始まりますが、実はこの日は三人の姉妹(と一人の男兄弟)の父親の一周忌でもあります。チェーホフが技巧的というのは、例えば、わざわざ娘の誕生日と父の命日を同じ日に設定している、そしてその日を劇の始まりに持って来ているという点にあります。考えようによっては、とてもわざとらしいのです。

チェーホフの劇では、自然な感情が流れているもの避けがたい事実なので、自然な演技が要請されるのですが、一方でとてもわざとらしい技巧が目立つ劇でもあります。チェーホフの劇を、自然さの中で上演するのがいいか、わざとらしさの中で演出するのがいいかは、時代や社会の趣味や感性、また演出家の考え方によるのでしょう。

では、なぜチェーホフは、父の命日と娘の誕生日を同じ日に設定しているのでしょうか。チェーホフの劇では、しばしば父親は不在です。不在といっても、ただ登場しないのではなく、そもそも死んでしまって存在しないことが多いです。この時代の家庭にあっては、家父長制的な因習が強く残る19世紀ヨーロッパ=ロシアの家庭で、父親の不在は決定的です。家庭の中心を不在にすることで、登場人物の状況が不安定で過渡的なものになるのでしょう。この作品ではただ父親の不在ばかりではなく、それは娘の20歳の誕生日と重ねられています。つまり、父がいなくなることと娘の大人になることが重ねられているのです。

そう考えれば、『三人姉妹』の中には、兄弟たちがしばしば父親の教育の厳しさや、父親の意向に沿って生き方を選択したことへの言及があります。兄のアンドレイなどは、父が死んでほっとしたのか太ってしまっていますし、マーシャなどは父からしつけられた外国語の教育など無駄だったと言いますし、オーリガは本当は教師になどなりたくはなかった風な言い方をします。そう考えると、この劇は、父の呪縛から逃れて、はじめて自分で生き始めた四人の兄弟たちの劇ということになります。厳しい父親から解放されて一年目から劇はスタートして、およそ2〜3年ほどの時間を劇は持っていますが、その彼らの自立する過程が描かれているわけです。

4人の兄弟たちのアイデンティティの模索を描いているとすれば、それは自分ばかりではなく、他者と出会い、他者をどう理解するかにかかっているはずです。劇では、4人の兄弟たちはそれぞれに他者と向き合って行きますが、チェーホフはこの出会いをコミュニケーションの不全として描こうとしているように見えます。つまり人と人とがどんなにか言葉をやり取りしても、一番必要で最も大切なことは容易には通じ合わせることができないことの残酷さと滑稽さを描いているように思えます。この劇の中で、唯一「愛」らしきものを通じさせることができるのは、マーシャとヴェルシーニンの不倫の関係です。彼らは愛を通じさせる時には人間の言葉を話しません。「トラムタムタム・・」という暗号めいたオノマトペで通わせあうのです。その他の人々は人間の言葉で喋り続けるのですが、決して互いに理解しあうということがありません。チェーホフはこの逆説を描いているのです。そんな中で彼らの自立はうまくゆくのでしょうか。それはもはや言う必要はないと思います。

古典を上演することの意味はいろいろあると思います。今までにない解釈を観客は求めますし、演出家や劇団の側も野心的で新しい新機軸を打ち出して行こうとします。そのことで劇の新しい見方をしたいのです。でもそれはなぜなのでしょうか。なぜ、新しい演出が必要なのでしょうか。それは思うに、新しい(そしてうまく行った)演出こそが、古いけれど、人間には本来的に付きまとういくつかの問題について、大いに感知させてくれ、自分自身のことについて深い物思いに耽らせてくれるに違いないからだろうと、私は思っています。『三人姉妹』について言うなら、彼らの自立の試みがうまく行かない有様をチェーホフは描いていますが、その原因や理由については、チェーホフは口を閉ざしています。劇を見た私たち観客だけがその理由や原因について感じたり、考えたりできるのです。一体、なぜ、4人も兄弟が一緒に暮らしていて、彼らはまっとうな大人になることができなかったのだろう。今回の上演がそんな問いへの答えについて思い巡らせてくれるものであればいいなと思います。


名作古典のおもしろさを三者三様に語っていただきました。
それぞれ大変興味深く、参考になることばかりです。
椋平淳さん、岩崎正裕さん、永田靖さん、ご寄稿本当にありがとうございました。

『三人姉妹』観劇が更に楽しくなる学芸講座は、まだまだ参加者募集中です。
永田さんの講座は3日に終了しましたが、椋平淳さん「古典戯曲彩々」は8/27に、岩崎正裕さんの「チェーホフと小劇場について」は8/24にそれぞれ行われますので、ぜひご来場お待ちしています。
詳細はコチラから。 お申込みはmp2008@bungei.jpまでどうぞ。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00

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2008.08.19. 09:43 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★ 8月12日 「ごまのはえにかける期待」
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今回のチューズデーレターは「ごまのはえにかける期待」という事で、去年の「競作・チェーホフ」審査員の方々よりコメントをいただきました。



「ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』」
  菊川 徳之助(近畿大学舞台芸術特任教授)

ごまのはえ、という名前がよく話題になる。
何故こんな名前を付けたのか。
鼠小僧次郎吉や石川五右衛門なら許せるといったものでもないかもしれないが、ごまのはえは、変えた方がよい、という意見もある。
だが、ごまのはえを名乗り続けている。
今は、したたかな命名になっているのかもしれない。
昨年の「競作・チェーホフ」での三人の演出家による競演での、演出ごまのはえの冴えは相当なものだった。
チェーホフ劇にビデオ映像や歌謡曲を持ち込むのだから
(影のウワサでは審査員があの曲を好きだったから使ったとか)。
いや、見方によっては、ふざけた、瑣末なアイデアに見えたかもしれないが、そこを(ふざけには違いないが)チャチな遊びのみに終らせないのが、ごまのはえの稼業に住みついている巧みさと言えそうだ。
そのごまのはえ君が、『三人姉妹』をケレン味なくやるというウワサもあるが、彼にフザケのないチェーホフがやれるのか、楽しみである。
好みとしては、やはり、<ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』>が見たいものであるが。



「ごまのはえ」という名の才能
  小堀純(編集者)

あれは三年前か、ごまのはえが「ヒラカタ・ノート」でKyoto演劇フェスティバルの第1回新・KYOTO演劇大賞を受賞したとき、私は幸か不幸か審査員をしていた。
「ヒラカタ・ノート」は第12回OMS戯曲賞の特別賞に輝いた傑作である。
OMS戯曲賞の<特別賞>は、第2回の松田正隆「海と日傘」以来の快挙であった。
ごまのはえは、その後のぶんげいマスターピース工房2007 特別公演「競作・チェーホフ」でも最優秀だった。
私もそうだが、「ごまのはえ」という名前に違和感を憶える人は多かった。
「作家の名前じゃない」「呼ぶのに抵抗がある」etc・・・・。
演劇人や演劇ファンは、意外とマジメである。
不マジメなこと、くだらないこと、異端なことが好きなくせに、先入観でモノをみる嫌いがある。
思えば、ごまのはえがOMS戯曲賞で初めて最終選考に残ったのは第7回(2000年)の「風と共にドリフ」であった。
現在を予感するに充分な“すべてが嘘でキッチュな世界”(渡辺えり子氏/現・渡辺えり氏選評)。
あれから8年。ごまのはえは相変わらず、“嘘でキッチュ”だ。
変わったのは、まわりである。
「ごまのはえ」は誰もが、したたかな劇作家であり、演出家の名前だということを知ってしまった。
そうして、そういう状況を裏切るのがごまである。
チェーホフから何を掠め取り、みる者をだますのか。
誰にもマネできない異能ぶりに、いやでも眼がいってしまうのだ。



「ごまチェーホフ!?」
  土屋安見(京都労演事務局長)

チェーホフって面白い!!
そう思わせてくれる舞台になかなか出会ったことがない。
チェーホフで面白い舞台を創るのはなかなかに難しい。
めだった事件は起こらず、そこにはただ、幻想にとらわれ、
あるいは幻滅を抱えて生きる人間たちの日常が流れていく――
あれ? これって、ごまさんの描く世界に似てる!?
ごまさんの演出はあざとい、と私は思う。
昨年の『競作・チェーホフ』でのビデオ映像や歌謡曲の使い方もそうだった。
でも、そのあざとさを味方にしてしまうんですよね、
ごまさんって。したたかです。
おおいにふざけて遊んでいるように見せながら、実はその後ろにしなやかでナイーブな感性を潜ませる。
ずるいんです。
さてチェーホフの名作『三人姉妹』。
大作です。
そこに生きる登場人物たちをどう料理し、その心の奥から何を引っ張り出して見せてくれるのか。
ごまチェーホフの世界に、見事観客をおとしいれてくれるのを、楽しみにしています。



みなさん、様々な思いを持ちつつもごまのはえにかける期待は高いですね!
従来の三人姉妹とは一味も二味も違う作品になりそうですね。
チケットは絶賛発売中!!!
お見逃しなく。




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2008.08.12. 09:54 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★ 8月5日 「公開稽古を行なうにあたって」
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はじめまして、今回「三人姉妹」でクルイギン役を任されております、大木湖南です。

僕は、演出ごまのはえの主宰するニットキャップシアターという劇団に所属しておりまして、去年の「競作・チェーホフ」にも、ごま組として、オーリガ役の日詰千栄さんと共に出演させていただきました。
あれは「結婚申込」。夏の盛りの稽古場で、大声張り上げて、はっちゃけまくってました。
そして、それがまたこうして文芸の舞台に戻って来る事に繋がったというのは、大変幸せなことであります。

さて、そんなごま組直参の僕が、三日に行われた永田靖先生の学芸講座に行ってきました!
会場へ入ると、まずは、いくつかの資料が手渡されました。

 「戯曲の一部、(一幕冒頭と二幕の一部)」
 「三人姉妹のプロット」
 「三人姉妹・初演の舞台図」
 
これらの資料を使って、永田先生が「三人姉妹」を丁寧に解いていきます。
チェーホフの戯曲の特徴・「三人姉妹」の中にある、いくつかの主題・モスクワ芸術座での初演について…
「三人姉妹」の初演はスタニスラフスキーが手がけていたなんて、知りませんでした。恥ずかしながら。
ちなみに、スタニスラフスキーって芸名なんだそうですよ。
一通り講義が終わると、蜷川幸雄演出の「三人姉妹」を観賞。講座に来ていた出演者は、目を皿のようにして見ました。
僕も、どんな人がクルイギンやってるのかな〜?とか思ったり。(多分、他の皆も。)
講義の終わり際に永田先生が「演出家とは、まず戯曲に向き合い、それから、各々の切り口で戯曲を立ち上げていくものである」という旨の話をなされました。
講座にきていたごまのはえは「三人姉妹」をどんな風に立ち上げるんでしょうね〜。

という事で、8月6日に行われる、公開稽古についても、がっつり触れておきましょう!

見どころ1
今回の舞台はとっても変わった形、構造をしてまして、稽古はその舞台を想定して行われています。
ごまのはえが「三人姉妹」を大胆に自分流にしてやろう!っていう気構えがまず舞台美術に現れているんですね。はい。
本番前に舞台構造を知っておくのも、また一興じゃないでしょうか。

見どころ2
稽古はそんな舞台に負けない個性派たちが奮闘しています。
ごまのはえ演出の特徴は「濃い」こと。
彼自身も濃いですが、演出も「濃い」。
そして、「濃い人」が好きなんです。
たとえて言うと「とんこつラーメンにカレーをかけて食う」こんな感じです。
そしてまた、バカなことをさせるんです。濃い人に。「替え歌」とか。

見どころ3
変更
稽古場では台本に書いてあることが、どんどん変更されていきます。
その全てがごま流なので、そういった変更を言い渡される度に、「なんでこんな事を思いつくのか」という気持ちになります。
「何故、こんなくだらない事を思いつくんだ?」と。
そんなアイデアが生まれる瞬間を見るのも、オツなものでしょう?

本番はあと一ヶ月をきって、稽古場も勢いづいて来ています。ぜひ一度稽古を見に来てください、本番がより楽しめること請け合いです。
クルイギン役、大木湖南からのお知らせでした!

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大木さん、ありがとうございます!
ぶんげい演劇工房でのみ販売される「指定席券」は、もちろん公開稽古でも販売します。
実際の公演会場を見て席を選べる唯一のチャンスをお見逃しなく!


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ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
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2008.08.05. 15:05 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★ 7月29日 「稽古場レポートVol.2」
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文化芸術会館事業企画担当の松浦です。
本日は稽古場レポートVol.2を担当します。

普段は制作・広報・宣伝の仕事仕事仕事の毎日でちょろっとしか覗けなかった稽古場ですが、昨日はしっかり見ました。
スタッフさんも全員集まるホールでの初通しでした。

皆さんはチェーホフってどんなイメージをお持ちでしょうか。
ロシアの大文豪?あるいは少し年配の方なら往年の新劇の名芝居で、人間の本質を鋭く描いた悲劇作家でしょうか。
あるいは演劇に詳しい方なら、主人公がいてその周辺でドラマが起こる近代劇と、特定の主人公を置かないことが多い現代劇の転換点としての作家でしょうか。
チェーホフって言うからには外国人か...、と言うような感じの方も多いと思います。

でも、僕は今回通しで観て、...ちょっと極端な例えかもしれませんが、「渡る世間は鬼ばかり」で有名な橋田先生のような気がしました。
ロシアなんですけど、『モスクワへ』って言わはるんですけど、...登場人物が何か身近に感じます。
そしてどの登場人物も個性的で、当人にとっては重大な、ただ観客として見ていると滑稽で笑わせられる問題に、右往左往させられる人間模様が描かれています。

もちろん三人姉妹(ふたりは独身)は出てくるんですが、三人の夫が出てきます。
妻に浮気される人、妻に自殺されかける人(当人の言葉でしか語られないので本当かはわかりませんが)、結婚して変わってしまった(思わずモンスターだと言っちゃってました)妻に嘆き、ギャンブルに嵌り太っていく夫。最後の夫は「結婚するとき、幸せになれると信じていた」と言うんですね。なんか少し共感します。
あ、僕は結婚してませんけど。
なんしか思っていた理想と違う現実に足元がゆらぐのかな。そんな感じがしました。そして姉妹たちに「僕の言うことを信じないでくれ」と。

改めて戯曲でなく芝居としてみると、リストラの問題とか不倫とか嫁の問題とか現代にも通じる問題たちが立ち現れている気がします。
そしてチェーホフがすごいと思うのは、所々に出てくる予言めいたセリフたちです。
「100年後の未来はもっとよくなってる」「人間は進歩していっている」「未来は人間はもっと幸せだ」「今は人間は不幸だが....」これらのセリフ(全て記憶で書いていますので細かくは違うかも)が語られる時、全て逆説的な予言に聞こえます。
「そんなことはないよ。人間が悩むのは古今東西変わらない」

もちろんそういうことを見て何か希望いっぱいになったり、生き方が変わるわけではないんでしょうが、それでもなんだかラストシーンが心に響きます。
このラストシーンはチェーホフ好きな人には至極全うな普通のラストシーンなんですが、僕には、すこし人生が生きやすくなる気がします。他の人はどうなんだろう...。

あ、普通の感想、それもチェーホフの感想になってしまいました。
でも今回の芝居は、とてもストレートな感じがします。
世界で一番辛いマティーニってリキュールを入れずそのままのお酒を出すそうですが、わりとチェーホフの面白さ、そのままと言う感じ。

もちろん若い男女が木陰でいちゃいちゃしているとみんなが総出で観察に行くとか、そういう笑えるシーンはチェーホフが書いていたものを、俳優と役者でパワーアップさせて居るのだと思います。

なにしろ、今回は舞台構造が複雑で、(二階建てになるようなので)実際に舞台美術を組み上げないとリアルには演技できません。
実際演出のごま氏からのダメ出しは今回はなく、それはまだシーンとして細かく煮詰めていないから、とのことでした。

これからが大変優秀な俳優陣の腕の見せ所です。
俳優に一番大事なのは「舞台上で一生懸命遊ぶことだ。楽しんで演技することだ」と僕の師匠のフィリップは言ってました。そこは僕が太鼓判を押します。
演出助手の高原さんのレポートにもありましたが、演劇ワークショップの出前のために、俳優全員で小学生がやることをやってみる、というのをやりました。
もうそのときのみなさんの遊びっぷりといったらすさまじかったです。
あれをお見せできないのはもの凄く残念です。
蜂が飛んできたとか樽が転がってきたとか、お金が落ちてる、とか想像力で遊ぶのですが、小学生たちに引けをとらないぐらいで、小学生になりきって演技してはる人たちまでいました。

そんな俳優たちに、チラシの裏にあるようなお茶目な演出家がタッグを組む、真剣に遊び放題の稽古場を覗くチャンスがあります。
8月6日(水)19:00からホールにて公開稽古です。無料です。
通し稽古ではなく、普通の稽古場を公開します。創造の現場を見たい人はぜひいらしてください。

また、チェーホフさんに興味を持ったという人は8月3日(日)15:00−からのロシア演劇の専門家永田靖先生の学芸講座にいらしてください。
きちんと正確なチェーホフ論が聞けます。
レポートを書いた僕のことに興味を持ってくださった方々は演劇ユニットYOU企画のHPを覗いてみてください。一応演出をやってます。最近創れてないですが。

そして、早割期間終了まで本日入れてあと3日と迫りました。必ずチケットだけはゲットしてください。
詳細は過去のチューズデーレター、斎藤さんのチケットの買い方レポートをご参照ください。
工房参加者の座席指定はチケットをお買い求め以後も有効です。お先にお買い求め下さい。

取り留めの無いレポートですいません。
今後もWEB上で演出家や俳優たち、稽古場のレポートは火曜日に限らず配信していきます。
ご期待下さい。

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    京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
   ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
    2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 
   詳細は 特設サイト http://mp08.seesaa.net/ へ

※チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.07.29. 23:59 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★8月番組表
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いよいよ月末に本番の、8月のチューズデーレター番組表です。
番組表のお届けです。
それぞれの難易度を☆で表示♪

☆:舞台初心者にもわかりやすい簡単なお話。気軽にお読みください
☆☆:少しだけ突っ込んだお話。舞台の世界にもう少し足を突っ込みたい方はぜひ!
☆☆☆:舞台の知識もある程度必要なお話。よりコアに舞台の事を知りたい方はお読みください。

♪それでは8月の番組表はこちら♪

8月5日 「公開稽古を行なうにあたって」
8月12日 「ごまのはえにかける期待」 ★★
8月19日 「名作を観るおもしろさ」 ★★
8月26日 「稽古場レポート Vol.3」 ★★★

どうぞお楽しみに!
2008.07.27. 16:10 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 7月22日 「演劇工房レポート Vol.1」
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さて今週のチューズデーレターは演劇工房レポートなのですが、ぼくがご報告させていただきます。
はじめまして。

a-fj.jpg
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2 『三人姉妹』にて、トゥーゼンバフ役で出演します、F・ジャパンという名前の基本的に太っている俳優です。

それではさっそく7月21日に参加してきました「コミュニケーション発見」と題された演劇ワークショップのご報告をさせていただきます。
このワークショップの講師は勿論我らの演出家、そしてやはり同じ変な名前を持つ身として個人的に親近感を抱いています、ごまのはえさんです。

ごまのはえさんは今回のワークショップの最中よく、

「相手の気持ちを考えて、助け合って動いてみて下さい」

と言っていました。

お芝居でももちろんそうですけれどそれは日常生活でもとても難しいことだと思います。
振り返ってみればぼくの生活にはつまりそういった思いやりが足りていないわけで、もし仮に今自分自身にそれが備わっていれば例えば恋人ができたりしてイチャイチャ、キャイキャイしながら毎日をもう少し幸福に暮らしていたのでしょうが…ええ、今さら言ったところで始まらん!





すみません、取り乱してしまいました。


「鳩が部屋の中にいる」という演技を5、6人の人数でやった時も、
あそこに鳩がいる、というイメージを各自でバラバラに持っていても、鳩はお客さんには伝わりません。

tdl-f1.jpg

「一人が持っている鳩のイメージを共有して、みんなでそのイメージを補完しあって大きくてしていけば、鳩がみているお客さんに伝わりやすくなる」

と、ごまのはえさんは言います。

さらに他にも短い台本を与えられて二人一組で演じてみたりもしたのですが、

「台本に書かれている台詞が必ずしもその登場人物の伝えたいことではない場合がある」

と、そこでごまのはえさんは言うのです。

A「ごはんは?」
B「食べてきた」


という台詞が、
目線や身体の姿勢や表情、そして台詞を聞いている人の態度など、
台詞以外の様々な部分でお互いにコミュニケーションをとることによって、言葉の内容とは全く違った意味や状況がみている方に伝わってくるようになるのでした。

tdl-f3.jpg

それは、
愛の告白になり、
別離の言葉になり、
離婚を切り出せない人の言葉になり、
借金の催促をちゅうちょしている人の言葉になるのでした。

そしてさらにもっともっと色々なシチュエーションにできるとごまのはえさんは言います。

台本という枠はあっても、俳優はそこの場面をコミュニケーションをとって自由自在に動かせるというわけです。

なるほど。

それでは普段をかえりみてぼくが舞台で自由に動けているかといえば…ちゃんとコミュニケーションがとれているかといえば…
ええ、今さら言ったところで始まらん!

…というわけにも行かないので来たるべき本番に備えて精進しなければなりません。

そして、「三人姉妹」の本番ではまるで自由の天地に解放されたかのように動き回る所存なのであります。
良かったら観に来て下さい。

と、宣伝めいた文章を書いたところで今週のチューズデーレターは終わりたいと思います。

長文乱文雑文失礼しました。

tdl-f2.jpg


F・ジャパンさん、有難うございました!


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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

※チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.07.22. 17:44 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
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★ 「稽古場レポート Vol.1」
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こんにちは。
今回、ぶんげいマスターピース工房vol.2「三人姉妹」の演出助手をしております、高原綾子です。アヤ子じゃありません、リョウ子と読みます。
前年の「結婚申込」でも演出助手と出演助手を務めていましたので、今回も参加させていただく、といったほうが実は正確です。
今回も参加できることを、嬉しく思っています。

さて、今週のチューズデーレターは高原が担当します。
現在の稽古場状況やら、演出ごまのはえにまつわる話やら、その他の活動やらを報告させてもらいます。
演出の次に、現場にいますので、作品の面白さが、現場を通して伝わればいいなあと思っています。

では、気楽に読んでくださいまっせ。


<稽古場レポート>

写真1.jpg
6月1日に顔合わせをしてから、早、一ヶ月ちょいが過ぎました。
7月から、各々公演を抱えていたキャストが集合し、ようやく稽古が本格始動しました。23歳から○歳までの多彩多芸な老若男女が、チェーホフの名作「三人姉妹」に挑みます。
キャストは総勢12人。多い。
昨年は3人でしたので、その4倍!!

この12種の人材をチェーホフレシピで、ごまのはえシェフが大胆にミキサーにかけます。と、どうでしょう。
えも言われぬ、液体色となったドリンク「三人姉妹」。
一見、渋くクールな風味になるかと思いきや、滑稽でチャーミングな表情をしたホットなドリンクになる塩梅。

上の写真は、シェフごまのはえに調理されている最中のワンショット。
床に引かれたライン、これが本番でどう化けるのか、楽しみにしていてください。俳優泣かせの舞台になることは間違いなしです。

写真2.jpg
稽古では、実際に本番で立つ舞台を使っておこなう時もあります。
やはり、400人以上のキャパシティを持つ「京都府立文化芸術会館」の舞台は、ひろいです。写真に映るのは、出演者のキタモトマサヤさん。セリフを覚えてられる最中。

とにかく、稽古は順調に進んでいますよ。
本番のある、8月までお楽しみに!


それから、稽古場レポートとして少し話題はそれますが、
公演企画の一環として、地元の小学生に演劇のワークショップをおこなっています。
その現場のレポートも添えておきます。


<ワークショップレポート>

小学生を相手にして、演劇を自覚的にして教えるのはなかなか難しいですが、小学生と言っても、演劇的な要素が日常に溢れているに違いない!と、現在、小学生と演劇の関係を手探りで探っています。

DSC_0031.JPG
台本とは違った視点から演劇を作ってみよう!といったテーマのワークショップ。
手始めに、
・見えないものを見えるようにする。
・見ている人に分かってもらうにはどうするのか。
・集団で創作するとはどういうことが大事になってくるか。
この難しさと楽しさを感じてもらい、
最後にグループで発表してもらいます。

見えない大縄跳び、見えない敵に悪戦苦闘。
そんなゲームから、人にものを見せるにはどんな工夫が必要か、表現について考え、さらに、集団で表現するという演劇の根本に挑んでもらいます。

どれも普段意識しないことなので、難しいことばかりです。
それでも、今までに、4つの小学校へ出向きましたが、彼らは、体当たりで挑んでくれます。戸惑っても、ふざけたり、遊びに変えようと躍起になってくれます。
そんな彼らのパワーは、本当に破壊的。刺激的で、面白い。

DSC_0026.JPG
こんな感じ。

余談ですが、休憩という概念が私達と違うことに驚かされます。
休まないのです。
彼らにとって、休憩とは自由解放の意味のようです。

これからまだワークショップ周りをします。
どんなヤツラ(敬意を払って)に会えるのか、私はとっても楽しみでなりません。

以上、高原からの現状レポートでした。
皆さん、あっつい日々ですが、倒れないようにお過ごし下さいませ。
そして、8月30日・31日は京都文化芸術会館で、あっつい「三人姉妹」をご観劇くださいね!
で、今日も稽古へ行ってきまーす!!

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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.07.15. 12:41 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 7月8日 「出演者から見た ごまのはえとは?」
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今週もやってきました、チューズデーレターです。
今回は役者さんによる「ごまのはえ」一言紹介です。
そして、何と!三人姉妹の配役も同時に発表しちゃいます!
それではいってみましょ〜!

日詰千栄
役名:オーリガ(愛称:オーリャ)
a-hizume.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
グレゴマ・ヘデラタガの亜種。多年草。独特の匂いがする。
水をやれば横へ横へと蔓延る(はびこる)ので注意。ぷっくりした部分は実と間違えやすいが、腹なので、潰すと性質(たち)が悪い。


長沼久美子
役名:マーシャ(正式にはマリーヤ)
a-naganuma.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
論理的な沈思黙考型。勉強家。働き者。動きにバネがある。料理上手。手が大きい。最近色っぽくなった気がします。


岡部尚子
役名:イリーナ(俗にはアリーナ)
a-okabe.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
頭がいい!ので、何でもかしこい話だと思ってうんうん聞いてると、たまにとんでもなく下品。切りかわりがいまだわからない。


平岡秀幸
役名:ヴェルシーニン(アレクサンドル・イグナーチエヴィチ)
a-hiraoka.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
夏草や、ヘソのゴマより「ごまのはえ」


大木湖南
役名:クルイギン(フョードル・イーリイチ)
a-ohki.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
『くされ縁』です『くされ縁』。もう『縁』がくされちゃいました。


F・ジャパン
役名:トゥーゼンバフ(ニコライ・リヴォーヴィチ)
a-fj.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
むかし「自分を漢字一文字でいうと…?」という質問に「歪」と答えて、みんなを納得させました。「ごまのはえ」さんはそんな人です。


尾方宣久
役名:ソリョーヌイ(ワシーリイ・ワシーリエヴィチ)
a-ogata.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
うーん、むずかしいですねぇ…ごまくんとは今回初めてだし、稽古が始まってまだそんなに間もないし、そして一行で紹介という曖昧な字数制限にも困っています。しかもこれってすでに一行で収まっていないような、そんな感じ。


キタモトマサヤ
役名:チェブトイキン(イワン・ロマーノヴィチ)
a-kitamoto.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
8月31日までごまくんの手兵となって働くことを誓います。


安田一平
役名:アンドレイ(セルゲーヴィチ・プロゾーロフ)
a-yasuda.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
僕が今まで出会った人の中で1番「熱血」という言葉が似合わない人です。常に平常心。


弓井茉那
役名:ナターシャ(ナターリャ・イワーノブナ)
a-yumii.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
ごまさんの体はちくわで出来ている。演出上の例えが上手い。


長田美穂
役名:アンフィーサ
a-nagata.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
第一印象は、目が可愛い。頭の中のオモチャ箱のような引き出しをもっとみたい。


高澤理恵
役名:フェラポント
a-takazawa.jpg
「ごまのはえ」一言紹介:
大真面目に選ぶ言葉がいちいち面白い方。第一印象は意外に紳士的。



みなさん本当に様々でおもしろい印象を持ってるんですね。
ではでは次回もお楽しみに。


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2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.07.08. 13:19 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★7月番組表
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稽古も本格化してきた7月のチューズデーレター。
番組表のお届けです。
例により、それぞれの難易度を☆で表示♪

☆:舞台初心者にもわかりやすい簡単なお話。気軽にお読みください
☆☆:少しだけ突っ込んだお話。舞台の世界にもう少し足を突っ込みたい方はぜひ!
☆☆☆:舞台の知識もある程度必要なお話。よりコアに舞台の事を知りたい方はお読みください。

♪それでは、7月の番組表はこちら♪

7月1日 「チケットの買い方について♪」
7月8日 「出演者から見た ごまのはえとは?」
7月15日 「稽古場レポート Vol.1」 ★★
7月22日 「演劇工房レポート Vol.1」 ★★
7月29日 「稽古場レポート Vol.2」 ★★★

どうぞお楽しみに!
2008.07.04. 11:13 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 7月1日 「チケットの買い方について♪」
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今回制作を担当しています、斎藤です。
いよいよ今日から7月ですね。
早割期間も気がつけばあと一ヶ月しかありません。
みなさん、のんびりしている暇はないですよ!
ぜひ2500円の期間のうちにチケットをお買い求め下さい。

しかし、演劇のチケットは意外にみなさん買い方を良く知らないと思います。
そこで、今回のチューズデーレターはチケットの買い方を詳しく解説しようと思います。


【京都府立文化芸術会館で買う場合】
1.劇場窓口での購入する
劇場窓口では常にチケットが購入できます。
直接チケット代金を支払い、チケットを受け取ります。 
(窓口は毎日9:00〜18:00)

2.電話での購入
劇場に電話(075-222-1046)をかけ、日時を伝え、チケットを購入できます。
支払い方法は、来館、振込、代引郵送の三種類から選べます。

3.メールでの購入
文芸メールアドレス(mp2008@bungei.jp)に必要事項を明記し、メール送信で購入できます。
必要事項は、名前、連絡先メールアドレス、日時、券種(友の会チケットは、会員番号が必要)、枚数、支払方法(振込、窓口、代引)、代引きの場合は、配送先住所となります。


【インターネットで買う場合】
文芸HP内の「現在発売中のチケット」で購入できます。
支払い方法は、来館、振込、代引郵送の三種類から選べます。
★こちらからどうぞ! →ぶんげいネット予約(PCのみ)


【ぴあで買う場合】
1.店頭での購入
ぴあは様々な場所にチケットセンターがあります。
チケットセンターに行き、公演名を伝え、その場で直接購入ができます。

2.電話での購入
0570-02-9999へ電話をかける。
自動音声に従って、Pコード(387-276)などを入力し、購入できます。


【ローソンで買う場合】
1.店頭での購入
お近くのローソンに行き、チケット販売機「Loppi」にて操作をし、チケットが購入できます。

2.電話での購入
0570-084-005へ電話をかける。
自動音声に従って、Lコード(55459)などを入力し、購入できます。


【そのほか】
1.府民ホールアルティ(075-441-1414)にて購入できます。

2.京都府内各大学の生協にて購入できます。

3.演劇工房会場にて購入する。
※ここでの販売のみ、お客様の好きな席を指定し、購入できます。


以上、このように様々な場所でチケットが購入できます。
お客様のご都合に合わせ、ぜひ早割期間中にお買い求め下さい!

では来週のチューズデーレターもお楽しみに!

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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.07.01. 13:23 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 6月24日 「ごまさんにとっての三人姉妹とは?」
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先週に引き続き、『三人姉妹』を上演する演出家、ごまのはえさんへのインタビューをお送りします。
それではごまのはえさん、よろしくお願いします!


★Q:まずは簡単な三人姉妹の紹介をごまさん視点でお願いします。

『三人姉妹』というタイトルですが、実は四人兄弟です。
長女のオーリガ、次女のマーシャ、三女のイリーナと、アンドレイという長男を中心に、不倫あり、肥満あり、火事あり、倦怠ありのドラマです。


★Q:三人姉妹を作品に選んだ経緯を教えてください。

昨年の11月頃だったと思います。
上演作品を決めるためにチェーホフの主な作品を電車のなかで読んでました。
一番読みやすかったんですね。ストーリーもわかりやすいし、キャスティングもすぐに浮かびました。
それで決めましたね。


★Q:実際、作品創作を始めた今、『三人姉妹』への思いに変化はありますか?

僕が思う「母親」的な人、「父親」的な人がまったく出てこない、
親の目線をもった人物がいない。


★Q:三人姉妹の誰かになれ!と言われたらどなたがいいですか?

次女のマーシャ。一応だけど性生活がありそうだから。


★Q:まだ創っている最中だと思いますが、好きなシーンというようなものはありますか?

いっぱいあります。でも言わない。


★Q:最後に、ごまさん演出による三人姉妹の特筆すべき部分を教えてください。

他人の生活を暗いところ(客席)からのぞき見る。
そういう楽しみに満ちた作品にしたいです。


ごまのはえさん、有難うございました!


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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.06.24. 14:23 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 6月17日 「ごまさんにとってのチェーホフとは?」
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先週に引き続き、『三人姉妹』を上演する演出家、ごまのはえさんへのインタビューをお送りします。
それではごまのはえさん、よろしくお願いします!


★Q:まずは簡単なチェーホフの紹介をごまさん視点でお願いします。

アントン・チェーホフ(1860年〜1904年)享年44歳。
ちょうど私のひい爺さんの世代だ。チェーホフは死の二年前に初めての結婚をする。長身で温厚、社会的にも高名であった彼は、しかし若年より結核を病んでいた。それゆえに死の二年前に結婚を決意したことは、チェーホフの性格を語る上で興味深い。ちなみにうちのひい爺さんは嫁さんを五回も変えたことで今も親戚中で語り継がれる存在だ。チェーホフが死んだ年は日露戦争が始まった年だ。うちの爺さんも内地で、近所の百姓や坊主を集め(大地主だった)上の句に「バルチック」を織り込んだ連歌会を開き、歴史のうねりに参加している。チェーホフの遺体は何の手違いか牡蠣を運ぶ貨物列車に乗せられたという。うちの爺さんも剣道の試合(かなりのツワモノだったらしい)に行くことを家人に反対され自宅に放火するなど様々な手違いを演じることになる。チェーホフの死後、社会はロシア革命、第二次大戦、スターリン時代へと突き進む。うちの爺さんもかわりゆく世相のなかで田舎の大地主として気概をしめしたが、農地解放ですっからかんになり、ひ孫の私は縁あってチェーホフと格闘する毎日。


★Q:チェーホフを日本の有名人に例えるとどなただと思いますか?

伊丹十三さんの映画で「タンポポ」ってありましたよね。あの映画の1シーンで、藤田敏八さん演じる男がソフトクリームを食べてるのを、子供がじっと見つめてて、子供の首には「自然食で育ててます食べ物を与えないでください」と書かれた紙がぶらさがってて、男は困ってしまう、そんなシーンがあったかと思います。あの瞬間の藤田敏八はチェーホフにそっくりです。


★Q:チェーホフの作品で三人姉妹以外に興味のある作品はどれですか?

「かわいい女」が好きです。小説ですが。


★Q:チェーホフが仮に今の時代にいたとしたら、同じ作家としてどうですか??

もしかすると可哀そうな文化人になってしまうんじゃないだろうか。他の巨匠と呼ばれるような作家と違って、人間味があるし、すごく柔軟性がありそうだから今の時代にいれば、テレビにでてワイドショーでコメントとかして、バランス感覚のよさを重宝がられそう。そんな気がします。


★Q:最後に、ごまさんから見たチェーホフの魅力はなんですか??

かっこいい独身者の元祖みたいな人です。特に小説からはそんなフェロモンを感じます。知性とセンスを売りにして女子に騒がれたいおじさんは、断然チェーホフを手本とすべきでしょう。また年上で知的な男性が好きという女性はチェーホフを読んで自分の目を鍛えてください。まがいものに気をつけて。


ごまのはえさん、有難うございました!?


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2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.06.18. 15:25 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★ 6月10日
 「ごまさんにとってのぶんげいマスターピースとは?」

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今月は『三人姉妹』を上演する演出家、ごまのはえさんへのインタビューをお送りします。
それではごまのはえさん、よろしくお願いします!


Q:まずは簡単な自己紹介をお願いします。

ごまのはえです。今は東蝮市と合併してしまいましたが、旧胡麻谷村出身です。特技は「ごま廻し」。好きな食べ物は「ごまさがりの蒸し焼き」です。


Q:昨年の「競作・チェーホフ」で見事最優秀演出家賞に選ばれましたが、その感想をお願いします。

嬉しかったです。何より今年こうしてもう一度チェーホフの作品に取り組めることが一番、幸せ。でも、最とか優とか秀とか、三つも並べる必要はないんではないでしょうか。ちょっと恥ずかしい。もっとゆるいひらがなで褒めてもらいたかった。


Q:昨年の作品作りで何かおもしろいエピソードなどありますか?

なんかやたらとバタバタしてた記憶があります。芝居のなかみもバタバタしてたし、面白いエピソードは、ないですね。思い出せません。ごめんなさい。


Q:「ぶんげいマスターピース」という企画についてはどう思いますか?

続けてほしい。10年くらい。


Q:最後に今年の意気込みなどをお願いします。

本番はまだ三ヶ月くらい先ですが、もうすでにかなり忙しいです。やりたいことが多すぎて困ってます。お暇な人は手伝いに来てください。マジで。


ごまのはえさん、有難うございました!


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※チケット発売中。今なら早割で一般券2,500円!(7/31まで)
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2008.06.10. 13:05 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 6月3日
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◆ チューズデーレターって?

今週から始まるチューズデーレターは、
ぶんげいマスターピース工房が皆様に週一回送る、いわば"学級通信"です。
毎週、工房でどんな事があったか(ワークショップレポートや稽古場レポートなど)、創り手がどんなことを考えているか(演出家や俳優、そしてチェーホフ)、手に取るように分かる内容を目指します。


◆ 演劇を最大限楽しく観るために。

劇場に来て劇だけを観て帰ってしまうのはもったいないです。
もちろん公演を見るだけでも十分に楽しめますが、ある程度の情報を持っていると観劇を十二分に楽しむ事が出来ます。見たことのある人が出ていたり、聞いたことがある脚本家のドラマだったりすると興味が湧く様なもの。漫画や小説原作の映画やドラマが多いのもそのせいかもしれません。

また、いろんなジャンルの”オタク”がいますが、彼らは一様に楽しそうです。知識があるからこその楽しみがあるはずです。
いろんなことを知っているということで、その人自身の楽しみ方の幅が広がっていくのだと思います。


◆ どんな内容なの?

「演出家」や「演劇」について知るために、演出家がナビゲートする【ワークショップ】を。
「脚本家チェーホフ」や「時代背景」、「現代の演劇」について知るために、専門家が講師を務める【学芸講座】を。
「公演自体が生み出されていく様子」を知るために、【公開稽古】を。
そして、劇場自体について知る【バックステージツアー】などを企画します。

これらの企画は、「ぶんげい演劇工房」として、7月下旬から8月下旬まで連続して開催されていきます。これらを経て、8月30・31日に公演『三人姉妹』を迎えるわけです。


◆ 企画には参加したいけど、忙しくて公演にしか行けない・・。

【ぶんげい演劇工房】はすでに日程が決まっているので、「行けない!」という人もきっと多数出てくると思います。
本当は企画に参加して欲しい。けれども物理的に難しい人もいるかもしれない。
そう考えたときに思いついたのが、このチューズデーレターです。

仕事初めで忙しい月曜日を乗りこえ、少し落ち着いた火曜日にふと「マスターピース工房はどうなってるかな?」と覗いてもらえる窓口をご用意しました。
ぜひご愛読いただければと思います。

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チューズデーレターは、毎週火曜日にメールマガジンとしても配信いたします。
mp-news@bungei.jp まで、空メールを送ってください。
返信メールが届けば登録完了です。
こちらもどんどん登録していってください。

来週からは、『三人姉妹』演出 ごまのはえインタビューです。
ちょっと変な名前の人ですが面白いと思います。お楽しみに。
2008.06.03. 17:00 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★6月番組表
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工房の現場からお届けするチューズデーレター。
今月の番組表をお届けします。
6月はマスターピース工房初心者の方に向けて、
企画についてや、演出家ごまのはえに注目した記事をお送りします。

そして今年のチューズデーレターは、
番組表にそれぞれの難易度を、わかりやすく☆で難易度を表示♪

☆:舞台初心者にもわかりやすい簡単なお話。気軽にお読みください
☆☆:少しだけ突っ込んだお話。舞台の世界にもう少し足を突っ込みたい方はぜひ!
☆☆☆:舞台の知識もある程度必要なお話。よりコアに舞台の事を知りたい方はお読みください。

♪それでは、6月の番組表はこちら♪

6月 3日 「チューズデーレターとマスターピース工房について」 ☆
6月10日 「ごまさんにとってのぶんげいマスターピースとは?」 ☆
6月17日 「ごまさんにとってのチェーホフとは?」       ☆☆
6月24日 「ごまさんにとっての三人姉妹とは?」        ☆☆

どうぞお楽しみに!

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2008.06.01. 08:25 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ご希望の方に、毎週火曜日に更新される「チューズデーレター」をメールでお届けします!
下記のメールアドレスに、空メール(タイトル・本文とも空白のメール)を送っていただくだけでOK。
内容を確認でき次第、こちらから返信メールをお送りいたします。

■申込アドレス

mp-news@bungei.jp

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TdLQR

2008.05.29. 15:48 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 5月13日☆号外
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工房の現場からお届けするチューズデーレター。
ついに2008年度のVol.2に関しての報告です。
昨年は3ヶ月にわたって愛読してくださり、誠に有難うございました。
昨年の2007特別公演『競作・チェーホフ』から6ヶ月、最優秀演出家に選ばれたごま
のはえ氏と共に公演に向けた準備が着々と進められてきました。
まずチェーホフの名作長編『三人姉妹』を上演することを決定し、俳優・スタッフが
選ばれ、だんだんと公演の形が見えてこようとしています。
4月頭にあった、ワークショップオーディションで最後の俳優2名が選ばれ、
ついに6月から稽古が開始されます。
チェーホフ晩年期の成熟した傑作『三人姉妹』が鬼才ごまのはえによってどう生まれ
変わるのか?!
夏まで楽しみにお待ち下さい!

■ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
作:アントン・チェーホフ 演出:ごまのはえ
2008年8月30日(土) 19:00開演 31日(日) 14:00開演 
京都府立文化芸術会館ホール
※チケット発売日:6月7日(土)10:00

なお、今年度のチューズデーレターは6月3日配信開始予定です。どうぞお楽しみに。
2008.05.13. 17:14 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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