どうも、制作の斎藤です。
昨日は京都府立文化芸術会館に見学に行ってきました。
すでに月曜日から仕込みが始まり、舞台美術も出来上がっていました。
明日からは通し稽古も行なわれます。

こんなに準備期間が取れるなんて!
何とも贅沢な公演ですよね。
もちろん、それによってクオリティが上がるのは間違いないのですが。
京都府立文化芸術会館に感謝感謝です。

いよいよ今週末、30日、31日が本番です。
ぜひぜひお見逃しなく。

そして劇場から衝撃の写真を公開します。

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舞台中央に堂々と作られた巨大階段です!
ほんと、天井まで登れる勢い。
役者のみなさんが落ちないか、本気で心配です。

写真ではその巨大さを伝えにくいのですが、本当に大きいです。
ぜひ劇場にて本物のすごさをお確かめください。

もちろん、俳優達の演技も負けてはいません!
週末はお楽しみに♪


2008.08.27. 17:20 | 作品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月27日 「稽古場レポート Vol.3【後半】」
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いよいよ本番まであと3日に迫りました。
役者さんたちもいろんなプレッシャーと戦いながら、本番に向けてどんどんいい顔になっていってます。
昨日に引き続き、「稽古場レポート Vol.3」残りの6名のレポートをどうぞ!




長沼久美子 as マーシャ(正式にはマリーヤ)

広い和室での稽古は学生時代の合宿を思い起こさせ、
1Fのカフェグリシンで珈琲にドーナツを付けてソファーから中庭を眺めてる時は、人並みの生活ができるようになったとしみじみしてみたり、
家から持ってきた水筒に冷水機の水を醜いほど何回もお替わりしている時は、昔と変わってないと不安になってみたり。
自分再発見、そして初心に戻らされた夏でした。
それくらい長い稽古期間でありました。
この後はあっという間に、驚くほどあっという間に過ぎ去っていくのだろうな。
早くやりたくてウズウズしてます。



日詰千栄 as オーリガ(愛称:オーリャ)

私の演じるオーリガは、三人姉妹(弟も入れると四人姉弟)の長女です。
これまで色んな女優さんが演じてこられたオーリガ役。
よっぽど華々しい役だと思っていたら、演ってびっくり。
ひと癖ある登場人物達に苦労かけられっぱなしです。
これまで演じてこられた歴代の女優さん達に、同情と連帯感を感じます。
果たして私は最後の名台詞
「生きていきましょうね」にたどり着けるのでしょうか?

ごま版オーリガの細腕繁盛記っぷりを、どうぞお楽しみに。



平岡秀幸 as ヴェルシーニン(アレクサンドル・イグナーチエヴィチ)

・・・・・・



F・ジャパン as トゥーゼンバフ(ニコライ・リヴォーヴィチ)

振り返ってみればこの三人姉妹のお芝居の稽古期間中、ぼくは一時だって気の休まることはありませんでした。
つまり、稽古場での安らぎが足りなかったのです。
…実は、クルイギン役の大木湖南さんというのが色々とドSな面がありましてね。この三人姉妹の稽古が始まった当初からスキあらばぼくの乳首をつねろうとたくらんでいるのです。
いっつも!
いや失礼。そんなことはいいとして。
ぼくは稽古場でよくこんなことを考えます――男性の乳首は一体何のためについているのか? とね。
もし乳首が取り外し可能だったら!
もしそうなったら、ぼくはそっと外すでしょう。
そして、おそらく、稽古中は乳首を付けないでしょう。
…いや、決して!



安田一平 as アンドレイ(セルゲーヴィチ・プロゾーロフ)

6月から始まった稽古も終わり、いよいよ本番となりました。
とにかくあとはやるだけ。
見所はズバリ!
「全部」
どこをとっても、ごまのはえらしい三人姉妹になってると思います。
もちろん僕ら役者の中にも「ごまイズム」はあります。あります。
とにかくあとはやるだけ。
本番が楽しみです。



弓井茉那 as ナターシャ(ナターリャ・イワーノブナ)

「三人姉妹」は世界中で何度やっても何度見ても味わいつくせないおいしさがあると思いますが、ごま風味の「三人姉妹」も最初から最後までむしゃぶりつくして頂きたい作品になりそうです。
今回の稽古場で私は最年少ですが、年齢も性別も体格も全く違う大人たちが走り回ったりいたずらしたり悩んだりしながらシーンを形作っております。
バラバラな登場人物12人の共通点は全員が生きにくい世の中を精一杯もがいているということです。
私、ナターシャも誤解されやすいのですが例外ではなく…。
その様子、是非劇場まで笑いに来てください。
それでは劇場でお会い出来るのを楽しみにしております。




後半6名も読み応えのあるレポートありがとうございました。
そして、いよいよ今週末に本番です。
まだチケット購入していないお客様はお急ぎください。
予定がわからない方はぜひ予定調整をお願いします。
ぜひぜひお見逃しなく!!!

チケットは絶賛発売しております!!!
当日券も発売しますので、
ぜひぜひ京都府立文化芸術会館へ足をお運びください。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

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2008.08.27. 14:53 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月26日 「稽古場レポート Vol.3」
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いよいよ本番前の最終火曜日。
チューズデーレター最終号ということで、「稽古場レポート Vol.3」を出演者全員から頂きました。
まずはこの6名のレポートをどうぞ!




大木湖南 as クルイギン(フョードル・イーリイチ)

役者というものは、いかなる役であれ、真心を込めて演じる事が望ましいのでありまして、今回、共演させて頂いた方々は皆さん真心に溢れてました。
素晴らしい公演になると、確信しております。



尾方宣久 as ソリョーヌイ(ワシーリイ・ワシーリエヴィチ)

今日は衣装とメイクを実際に合わせてみる日だった。
みんな予想以上におかしな格好で、おかしかった。
特に安田くんが面白かったので、写真を撮ったんだけど、
ネタバレになるからここに載せるのはやめといた方がいい。
と思った。



岡部尚子 as イリーナ(俗にはアリーナ)

三人姉妹の三女のイリーナ役の岡部です。

イリーナは20歳です。私はオーバー30です。
イリーナはモテモテです。私はモテたことなどありません。
イリーナを形容する台詞にもたくさん出てきます。
「可愛いイリーナ」「私の白鳥さん」「美しい人」「うっとりするような髪の毛」「美しいあでやかな顔」
…。
実年齢より若い役をやったこともたくさんありますが、今までは「三枚目」だったり、登場人物が全員若い設定だったり…。
でも今回は違います。

更に小学4年以来伸ばしたことなどなく、ずーっとショートカットの髪の毛。
今回は…付け毛をする予定です。
ヘアメイクのイラストを見たとき、嘘だろうとつぶやきました。
共演者の日詰さんは声に出して笑っていました。
ファックさんもです。婚約者の役なのに。

何故私がイリーナなのか。

最大の疑問でした。
台詞の解釈よりも、難しい問題でした。
ずっとずっと、演出のごまっぺに聞こう聞こうと思いつつ、聞かぬまま今日に至ります。
もう聞かないほうがいいかなと最近では思いはじめています。
いや、やっぱり聞いたほうがいいのか。

「キャスティングには自信がある」的なことをごまのはえ氏が稽古場で言うてるのを小耳に挟みました。
それが答えか…。

…なんて書くと「マイナス」のイメージが強いかもしれませんが…。
今は楽しくて仕方ありません。
もうやることはないだろう「女の子」。
「女性」ではなく「女の子」。
最初は聞くたびに「ごめんなさい」と言いたくなった、イリーナを形容する私とはほど遠い台詞を聞くのも快感に変わっています。

私の話ばかりで終わってしまいましたが…。
あと数日、まだ数日。
最後まで気合い入れて走り抜けます。

階段落ちに気をつけながら。



キタモトマサヤ as チェブトイキン(イワン・ロマーノヴィチ)

俳優の立場で稽古場を過ごすことで、自然と自己の演出家としての存在を検証することとなりました。
また、ごまのはえという演出家の異能ぶりを楽しませていただいてます。
そうか、なるほどねという発見とおどろき。
本番の舞台の面白さへの期待が俳優のひとりとしても高まってきている今日このごろです。



高澤理恵 as フェラポント

フェラポントの見所はずばり衣装と小道具ですね。
見ただけでも面白いので、色んな動きをして遊んでいます。
全然おじいさんではありません。ポンコツですが。
楽しんでいただけるようにがんばります。
『三人姉妹』全体では見所満載で紹介しきれないのですが、告白のシーンが私は好きです。
ああ、でもやっぱり紹介しきれません。
どうぞ楽しみに劇場にいらしてください。



長田美穂 as アンフィーサ

ハ〜イmiho♪mihoことアンフィーサ役の長田美穂です。
チェーホフの「三人姉妹」を一味も二味も違ったごま演出は皆様を「ここは何処?」と果てしないごまワールドに率いれてくれることでしょう。
アンフィーサは、私もいつか…イヤ間近に迫ってる老、そして不安稽古中何度となくふと孤立感をも感じながら、アンフィーサを演じていました。
原作では、校長になったオーリガと明るく楽しく満足してる様が書かれているのですが本劇にはありません。
が、きっとその後は神様から幸せのエキスをたっぷりもらい若返って82才の恋をしているかもしれません。
お楽しみに♪〜




様々な角度からのレポート本当にありがとうございます。
そして、後半の6名は明日更新いたします!
最終号のチューズデーレターは前半、後半の2本立てです。
どうぞお楽しみに。

チケットも絶賛発売しております!!!
当日券も発売しますので、
ぜひぜひ京都府立文化芸術会館へ足をお運びください。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 
□PR 観劇が更に楽しくなる「ぶんげい演劇工房」はいよいよあと一つ!
学芸講座 8月27日(水) 19:00-21:00 「古典戯曲彩々」講師:椋平淳
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2008.08.26. 14:55 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
7月30日の京都新聞で、演劇工房の小学生向けワークショップについての記事が掲載されました。

下記のリンク先から記事と写真をご覧いただけます!

「京都新聞」 - 身ぶり手ぶりで表現
上京、プロが指導 児童ら演劇体験
2008.08.23. 17:22 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
さて、看板レポート最後の記事です。
新看板が出来上がりました。
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タイトルの『三人姉妹』に加え、“アントン・チェーホフ×ごまのはえ”がクローズアップされています。
稽古場もあと残すところ1週間。連日俳優を加えての三つ巴の格闘が繰り広げられています。

また、今回はバス停待ちの人にも読めるようにあおり文句が入っています。
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ぜひとも24日、27日に開催されるぶんげい演劇工房「学芸講座」にご来場がてら、新看板もチェックしてみてください。



◆8月24日(日) 15:00-17:00
「チェーホフと小劇場について」
講師:岩崎正裕(劇作家・演出家、劇団太陽族)

私が劇団活動を始めたのは80年代。日本社会はバブルに向かう前夜祭みたいに浮かれ、演劇状況も「何でもあり」の様相を呈していたのです。中心だけがポッカリ抜け落ちている、自己の表現の空虚さに煩悶しつつチェーホフに救いを求めた90年代。周囲を見渡せば、現代口語による演劇が巷に溢れていました。私が20数年間に見てきた関西小劇場史と、チェーホフの台詞と構成と、おそらく主観に満ちて話す機会になるんだろうと思います。



◆8月27日(水) 19:00-21:00
「古典戯曲彩々」
講師:椋平淳(プロデューサー・演出家、大阪工業大学准教授)

昨今の文芸界では、古典作品の再評価がちょっとしたブームです。演劇界でも近年は、海外のマスターピースや日本の近代古典を舞台化する機会が目につきます。オリジナル作品への評価が高い関西演劇界でも、才気あふれる古典戯曲の演出に感銘を受けるケースが増えてきました。最近の代表的な古典上演をふり返りながら、また、古今東西の演劇史をひも解きながら、古典戯曲の世界の広がりと味わいを探ってみましょう。


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<参考資料>
昨年の学芸講座レポートはコチラ
オーリガ役の日詰千栄さんが書いてくださっています。
2008.08.23. 11:31 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
マスターピース工房・制作部です。

いよいよあと10日で、「三人姉妹」本番です。
稽古場も大道具などの舞台スタッフも小道具や衣装などのスタッフも、フル回転で作品作りに集中しているようです。

さてさて、京都のアトリエ劇研の「劇研アクターズラボ」さんのブログで、紹介記事とリンクをしていただきました。

劇研アクターズラボ

今回の三人姉妹には、アクターズラボの講師や受講生の俳優がキャストとして出演しています。
どの役者さんがそうなのか、詳しくは↑のアクターズラボブログの記事でチェックしてみてください!
2008.08.21. 11:20 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月19日 「名作を観るおもしろさ」
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今回のチューズデーレターは「名作を観るおもしろさ」について。
昨年のドラマツルグであり、今年はぶんげい演劇工房の学芸講座にて、チェーホフや古典についての講座をしていただいているお三方に寄稿をお願いしました。


「‘演劇資源’としての古典戯曲」  椋平淳

興行として古典作品を取り上げるとき、オリジナル作品を上演する場合となにが異なるかというと、おそらく、事前の公演情報に目を向ける観客層の広がりが少なからず異なってくるように思う。

事実、この京都府立文化芸術会館で開催されてきた過去2年間の「ぶんげいマスターピース工房」では、初年度がブレヒト、昨年度はチェーホフの短編が上演されたのだが、いずれの場合も、出演している俳優が普段演じている小劇場的な芝居は観ないようなオールド演劇ファン(といっては失礼か??)の方々が客席を占める割合が、通常の興行時よりも多いように思える。無論、やがて開館40年を迎えるこの会館には「友の会」という会員制度があり、ご年配の顧客にも情報が直接届いている、という影響もあるのかもしれない。けれども、一般のメディアにしても、「あの劇作家の古典戯曲が新たな解釈でよみがえる!」っといったノリで、古典の公演を報道することはめずらしくない。最近では、関西の演出家や小劇場集団が国内外の古典戯曲に取り組むことも、絶対数は少ないながら継続的に行われている。その代表格の深津篤史氏率いる桃園会やキタモトマサヤ氏主宰の遊撃体、三浦基氏の地点などの客層は、以前と比べると年齢的な厚みを増しているように感じられる。つまり、その演出家や集団の古典上演を観たことがきっかけとなって、その集団の顧客となった方々が一定数おられるということだろう。

もちろん、古典上演のメリットは、観客層の拡大以外にも多方面にあるだろう。たとえば、自作や同時代の作品を演出することが多い現代の若手演出家は、異なる時代のドラマツルギーに立ち向かうことで、自らの演出手法を進化させる契機となるだろうし、そうした演出家と舞台製作をともにする俳優・スタッフたちも同様だろう。けれども、そうした個々の表現技術の向上という視点ではなく、むしろ、演劇文化全体の振興や将来像を念頭においた場合のほうが、古典の上演機会を増やすことの意味は大きいように思う。

たとえば地点は、すでにチェーホフ四大作品のレパートリー化を宣言している。こうした特定の集団だけでなく、年間公演数のかなりの割合を古典作品に割り振るような事業戦略をもった劇場が現れてもよいはずだ。地域の税金や寄付で運営されているアメリカの地域劇場のなかには、地元住民の観劇希望に応えるために、公演数の6〜7割を古典戯曲に割いているケースもある。その真似をめざすことは日本では簡単ではないし、またその必要もないのかもしれない。けれども、古典戯曲という‘演劇資源’の活用のしかたは、事業の企画レベルでもっと追求されてしかるべきだと思う。


「名作を観るおもしろさ」  岩崎正裕

劇作を志す者は、多かれ少なかれある時期に、オリジナリティーの壁に突き当たる。そもそもが「誰それ」の模倣から出発するので、「さて、自分の独自性とは何か」などと考えこんでしまうのだ。しかし、しばらくしてこの問いはナンセンスであることに気づく。人類が言語とコミュニティを持って以来、物語りは幾万幾億と語られ、語り尽くされ、今やスタイルの差異しか存在しないのだと。

もちろんこれは才能貧しき者の開き直りでしかないけれど、オリジナリティーの追求などにこだわっていると、身動きがとれなくなるのだ。そんなわけで、私は常々、古典からは堂々と借用引用すればいいと思っている。つい先日、幕が開いた新作もチェーホフ「桜の園」のアダプトを後半に盛り込んだ。

しかし、近代劇を古典と総称していいのかどうか、研究者でない私は戸惑う。テネシー・ウィリアムズは現代劇で、チェーホフは近代古典なのか。いずれにしろ、借用引用に向かう私の視線は、その作品の(作中の人物の)同時代性に注がれる。古典を原作の言葉通りに上演するにしても(海外戯曲の場合、翻訳というファクターはあるが)、台座に据えて崇め奉るような方法では意味がない。埃が被ったベールを剥ぎ取り、骨格の浮き出る裸体を白日のもとにさらけ出す。そんな上演に巡り合いたいし、また創作したいとも思う。


「『三人姉妹』について」  永田靖

チェーホフの『三人姉妹』(1901)は、『桜の園』(1904)と並んでチェーホフの最晩年の作品です。この作品はチェーホフの技巧が内容と密接に結びついて容易に真似ることのできない作品になっています。同時代の演劇の約束事を踏襲することは意図的に回避していて実験的であり続けています。

例えば、劇全体が含んでいるエピソードの数が多く、多岐に渡っていて、互いに脈絡がないものが多いのです。冒頭は、オーリガの一年前の回想から始まりますが、回想の途中にチェブトゥイキンとトゥーゼンバフが「馬鹿げた話」をしながら登場しますが、オーリガは、誰も本気にしては聞いていないのをいいことに、自分の話を止めません。妹のマーシャが本を読みながら口笛を吹いているので、オーリガはそれを諌めるのですが、するとオーリガは急に気分が変わり、毎日の耐え切れない憂さを話し始めます。末妹のイリーナだけは明るい未来を信じていて、モスクワに行けば、自己実現のできる仕事にも、真実の愛にも、出会えると考えて屈託がありません。ですがチェブトゥイキンは抜け毛治療の新聞記事に気を取られています。

この冒頭からしてほとんど芝居にはならないエピソードで満ちていますし、一つ一つのエピソードがエピソードになる前に次のエピソードへと移り変わって行ってしまい、落ち着きません。『三人姉妹』には、およそ劇的なプロットは少なく、第3幕に火事、第4幕に決闘と別れの場面があるばかりです。サスペンスがあるわけでもなく、日常の出来事の数々が描かれていくだけです。ですが、この冒頭の日は、イリーナの20歳の名の日(言わば誕生日)のお祝いの日でもあり、これから皆が集まって食事会が始まりますが、実はこの日は三人の姉妹(と一人の男兄弟)の父親の一周忌でもあります。チェーホフが技巧的というのは、例えば、わざわざ娘の誕生日と父の命日を同じ日に設定している、そしてその日を劇の始まりに持って来ているという点にあります。考えようによっては、とてもわざとらしいのです。

チェーホフの劇では、自然な感情が流れているもの避けがたい事実なので、自然な演技が要請されるのですが、一方でとてもわざとらしい技巧が目立つ劇でもあります。チェーホフの劇を、自然さの中で上演するのがいいか、わざとらしさの中で演出するのがいいかは、時代や社会の趣味や感性、また演出家の考え方によるのでしょう。

では、なぜチェーホフは、父の命日と娘の誕生日を同じ日に設定しているのでしょうか。チェーホフの劇では、しばしば父親は不在です。不在といっても、ただ登場しないのではなく、そもそも死んでしまって存在しないことが多いです。この時代の家庭にあっては、家父長制的な因習が強く残る19世紀ヨーロッパ=ロシアの家庭で、父親の不在は決定的です。家庭の中心を不在にすることで、登場人物の状況が不安定で過渡的なものになるのでしょう。この作品ではただ父親の不在ばかりではなく、それは娘の20歳の誕生日と重ねられています。つまり、父がいなくなることと娘の大人になることが重ねられているのです。

そう考えれば、『三人姉妹』の中には、兄弟たちがしばしば父親の教育の厳しさや、父親の意向に沿って生き方を選択したことへの言及があります。兄のアンドレイなどは、父が死んでほっとしたのか太ってしまっていますし、マーシャなどは父からしつけられた外国語の教育など無駄だったと言いますし、オーリガは本当は教師になどなりたくはなかった風な言い方をします。そう考えると、この劇は、父の呪縛から逃れて、はじめて自分で生き始めた四人の兄弟たちの劇ということになります。厳しい父親から解放されて一年目から劇はスタートして、およそ2〜3年ほどの時間を劇は持っていますが、その彼らの自立する過程が描かれているわけです。

4人の兄弟たちのアイデンティティの模索を描いているとすれば、それは自分ばかりではなく、他者と出会い、他者をどう理解するかにかかっているはずです。劇では、4人の兄弟たちはそれぞれに他者と向き合って行きますが、チェーホフはこの出会いをコミュニケーションの不全として描こうとしているように見えます。つまり人と人とがどんなにか言葉をやり取りしても、一番必要で最も大切なことは容易には通じ合わせることができないことの残酷さと滑稽さを描いているように思えます。この劇の中で、唯一「愛」らしきものを通じさせることができるのは、マーシャとヴェルシーニンの不倫の関係です。彼らは愛を通じさせる時には人間の言葉を話しません。「トラムタムタム・・」という暗号めいたオノマトペで通わせあうのです。その他の人々は人間の言葉で喋り続けるのですが、決して互いに理解しあうということがありません。チェーホフはこの逆説を描いているのです。そんな中で彼らの自立はうまくゆくのでしょうか。それはもはや言う必要はないと思います。

古典を上演することの意味はいろいろあると思います。今までにない解釈を観客は求めますし、演出家や劇団の側も野心的で新しい新機軸を打ち出して行こうとします。そのことで劇の新しい見方をしたいのです。でもそれはなぜなのでしょうか。なぜ、新しい演出が必要なのでしょうか。それは思うに、新しい(そしてうまく行った)演出こそが、古いけれど、人間には本来的に付きまとういくつかの問題について、大いに感知させてくれ、自分自身のことについて深い物思いに耽らせてくれるに違いないからだろうと、私は思っています。『三人姉妹』について言うなら、彼らの自立の試みがうまく行かない有様をチェーホフは描いていますが、その原因や理由については、チェーホフは口を閉ざしています。劇を見た私たち観客だけがその理由や原因について感じたり、考えたりできるのです。一体、なぜ、4人も兄弟が一緒に暮らしていて、彼らはまっとうな大人になることができなかったのだろう。今回の上演がそんな問いへの答えについて思い巡らせてくれるものであればいいなと思います。


名作古典のおもしろさを三者三様に語っていただきました。
それぞれ大変興味深く、参考になることばかりです。
椋平淳さん、岩崎正裕さん、永田靖さん、ご寄稿本当にありがとうございました。

『三人姉妹』観劇が更に楽しくなる学芸講座は、まだまだ参加者募集中です。
永田さんの講座は3日に終了しましたが、椋平淳さん「古典戯曲彩々」は8/27に、岩崎正裕さんの「チェーホフと小劇場について」は8/24にそれぞれ行われますので、ぜひご来場お待ちしています。
詳細はコチラから。 お申込みはmp2008@bungei.jpまでどうぞ。



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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00

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2008.08.19. 09:43 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
演出 ごまのはえ より

「なぜ、今この時代に三人姉妹なのか?」

今回演出するにあたって一番重点をおいたのはヴェルシーニンの長いセリフです。彼は芝居の最初にモスクワからやって来る軍人で、三人姉妹の一人と不倫して、最後に去ってゆく役ですが、セリフがものすごく長い。文庫版で一ページ丸ごと彼のセリフの箇所もあるくらいです。
その内容は「今あるものを否定して、今ないものを熱望する」もので、哲学的な高尚なことを言いながら、実生活では自殺未遂を繰り返す嫁さんに振り回されている男です。かっこよく言うと「救いがたいロマン派」、ぶっちゃけて言うと「愚痴っぽいおじさん」なわけですが、堂々とめげずに喋り続けるところに共感を持ちました。空気を読むことに神経つかってる僕らとしては羨ましい人物ではないでしょうか。
そのセリフをよく呼んでみると、チエーホフの「次の時代」に対する思いが屈折した形で入りこんでいるように思います。三人姉妹はモスクワに行きたがるが、ヴェルシーニンが求める生活はモスクワにすらない。ひたすらに「次の時代」を熱望します。しかし彼は先にも言った通り現状に不満があるだけの男にも見える。彼の語る「次の時代」は、「今の時代」の陰を裏返して言ってるだけかもしれない。
ヴェルシーニンに未来を語らせることに観察者としてのチェーホフの凄さを感じます。本当の「次の時代」は人間の思惑や理想とはまったく違った形で到来するのではないか。チェーホフはそんな風に思っていたのではないか、と決めつけて演出してますので、お楽しみに。
2008.08.18. 04:55 | 記録・読み物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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三人姉妹の人物相関図は皆さまみていただきましたでしょうか?

素晴らしい出来上がりですね。

けれどぼくは自分の役紹介のページに、
「軍人であり男爵。そしてブサイク」
と書いてあるのを見つけてしまいました。

そして思い出されるのは数ヵ月前に演出家から聞いた、

「キャスティングには自信がある」

との、ありがたいお言葉です。

…ええ。
点が線になって今つながりました。

こんにちは。
トゥーゼンバフ役のブサイクなF・ジャパンです。

ハンバーグラボさんに「三人姉妹」フライヤーを置かせていただきました。

【HAMBURG LABO(ハンバーグラボ)】

写真は店長さんです。

阪急烏丸駅より徒歩5分

住所 京都市下京区西洞院通四条下る妙伝寺町694 ウエストケープ101

http://www.hamburg-labo.com/


料理が美味しい、
お店にいて楽しい、
という両輪を回している、かっこいいお店です。
ま、デートとかに使いたい人は使えばいいんじゃないですか!
最適です。
2008.08.14. 13:18 | 街置きチラシガイド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ごまのはえ演出「三人姉妹」の【あらすじ】です。
色つきの役名にマウスオーバーすると、役者の写真と役の紹介が開きます。
(携帯からは正しく表示されません。あしからずご了承ください。)



【あらすじ】

昭和、平成、永愛、愛奴、モモンガ、幾多郎、ポンチ勝平、ブルーバード…、
時代はいくつも流れ去り、地球は使い物にならなくなり、人類は宇宙のいたるところで生活し、適応し、交配し、肉体も精神も特殊な進化を遂げていた。

そんな時代のある宇宙殖民町に、本星(モスクワ)から連隊がやってきて、町の人たちと様々な交流をもって去ってゆく。
今は亡き父親に連れられモスクワからこの地に移り住んだオーリガマーシャイリーナの三人姉妹。物語は彼女らの暮らす町にモスクワから砲兵隊長ヴェルシーニンが赴任してくるところからはじまる。

長女のオーリガm-hizume.jpg
cast:日詰千栄
オーリガ…プローゾロフ家の長女。教師。
は結婚を願いながらも独身で、学校の教師をしている。次女のマーシャm-naganuma.jpg
cast:長沼久美子
マーシャ…次女。いつも黒い服を着ている。
は地元の教師クルイギンm-ohki.jpg
cast:大木湖南
クルイギン…マーシャの夫。オーリガの同僚教師。
と結婚しているが、その生活は満たされないものだった。三女のイリーナm-okabe.jpg
cast:岡部尚子
イリーナ…三女。働きたがっている。
は「働かなくては」と言いながらも、生まれ故郷のモスクワに行くことを夢みている。そしてもう一人の兄弟アンドレイm-yasuda.jpg
cast:安田一平
アンドレイ…長男。モスクワの大学教授を目指していたが、後にこの町の市議会議員になる。
は、モスクワの大学教授を目指していたが、今はその希望もはかないものになり始めていて、この土地の娘ナターシャm-yumii.jpg
cast:弓井茉那
この町のお嬢さん。アンドレイと結婚する。
に恋をしている。

彼らは広い邸宅に召使いのアンフィーサm-nagata.jpg
cast:長田美穂
プローゾロフ家に30年以上も前から勤める召使い。
、使い番のフェラポントm-takazawa.jpg
cast:高澤理恵
市議会の使い番。耳が遠い。
などに囲まれ生活している。

今は亡き父親が軍人だったこともあり、三人姉妹の家には沢山の軍人たちが出入りする。老軍医チェプトイキンm-kitamoto.jpg
cast:キタモトマサヤ
プローゾロフ家に住み着く老軍医。
は始終酔っ払っており、今や学んだことはすべて忘れたと広言するありさま。男爵と呼ばれるトゥーゼンバフm-fj.jpg
cast:F・ジャパン
軍人であり男爵。そしてブサイク。後に軍人をやめる。
は誠実な人柄でイリーナに求愛をする。その友人ソリョーヌイm-ogata.jpg
cast:尾方宣久
軍人。なぜか男爵に絡みたがる。皆が嫌がることをするのが大好き。
は周囲を白けさせる嫌われ者だった。そして新しい砲兵隊長ヴェルシーニンm-hiraoka.jpg
cast:平岡秀幸
軍人。モスクワより赴任した。すごくおしゃべり。
に、マーシャは惹かれはじめていた……



※登場人物の「人物相関図」は→コチラ
2008.08.13. 12:54 | 作品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ごまのはえ演出「三人姉妹」の【人物相関図】です。
顔写真をクリックすると、役と役者の紹介が小窓で開きます。



【人物相関図】
soukanzu.jpg



※作品の「あらすじ」は→コチラ
2008.08.13. 12:50 | 作品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ごまのはえ演出「三人姉妹」のあらすじです。
【携帯用】にレイアウトを整えています。
【PC版】は、コチラ

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【あらすじ】

昭和、平成、永愛、愛奴、モモンガ、幾多郎、ポンチ勝平、ブルーバード…、
時代はいくつも流れ去り、地球は使い物にならなくなり、人類は宇宙のいたるところで生活し、適応し、交配し、肉体も精神も特殊な進化を遂げていた。
そんな時代のある宇宙殖民町に、本星(モスクワ)から連隊がやってきて、町の人たちと様々な交流をもって去ってゆく。

今は亡き父親に連れられモスクワからこの地に移り住んだオーリガ(cast:日詰千栄)、マーシャ(cast:長沼久美子)、イリーナ(cast:岡部尚子)の三人姉妹。物語は彼女らの暮らす町にモスクワから砲兵隊長ヴェルシーニン(cast:平岡秀幸)が赴任してくるところからはじまる。

長女のオーリガは結婚を願いながらも独身で、学校の教師をしている。
次女のマーシャは地元の教師クルイギン(cast:大木湖南)と結婚しているが、その生活は満たされないものだった。
三女のイリーナは「働かなくては」と言いながらも、生まれ故郷のモスクワに行くことを夢みている。
そしてもう一人の兄弟アンドレイ(cast:安田一平)は、モスクワの大学教授を目指していたが、今はその希望もはかないものになり始めていて、この土地の娘ナターシャ(cast:弓井茉那)に恋をしている。

彼らは広い邸宅に召使いのアンフィーサ(cast:長田美穂)、使い番のフェラポント(cast:高澤理恵)などに囲まれ生活している。

今は亡き父親が軍人だったこともあり、三人姉妹の家には沢山の軍人たちが出入りする。老軍医チェプトイキン(cast:キタモトマサヤ)は始終酔っ払っており、今や学んだことはすべて忘れたと広言するありさま。男爵と呼ばれるトゥーゼンバフ(cast:F・ジャパン)は誠実な人柄でイリーナに求愛をする。その友人ソリョーヌイ(cast:尾方宣久)は周囲を白けさせる嫌われ者だった。そして新しい砲兵隊長ヴェルシーニンに、マーシャは惹かれはじめていた。
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2008.08.13. 12:00 | 作品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月12日 「ごまのはえにかける期待」
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今回のチューズデーレターは「ごまのはえにかける期待」という事で、去年の「競作・チェーホフ」審査員の方々よりコメントをいただきました。



「ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』」
  菊川 徳之助(近畿大学舞台芸術特任教授)

ごまのはえ、という名前がよく話題になる。
何故こんな名前を付けたのか。
鼠小僧次郎吉や石川五右衛門なら許せるといったものでもないかもしれないが、ごまのはえは、変えた方がよい、という意見もある。
だが、ごまのはえを名乗り続けている。
今は、したたかな命名になっているのかもしれない。
昨年の「競作・チェーホフ」での三人の演出家による競演での、演出ごまのはえの冴えは相当なものだった。
チェーホフ劇にビデオ映像や歌謡曲を持ち込むのだから
(影のウワサでは審査員があの曲を好きだったから使ったとか)。
いや、見方によっては、ふざけた、瑣末なアイデアに見えたかもしれないが、そこを(ふざけには違いないが)チャチな遊びのみに終らせないのが、ごまのはえの稼業に住みついている巧みさと言えそうだ。
そのごまのはえ君が、『三人姉妹』をケレン味なくやるというウワサもあるが、彼にフザケのないチェーホフがやれるのか、楽しみである。
好みとしては、やはり、<ごまのはえ版チェーホフ『三人姉妹』>が見たいものであるが。



「ごまのはえ」という名の才能
  小堀純(編集者)

あれは三年前か、ごまのはえが「ヒラカタ・ノート」でKyoto演劇フェスティバルの第1回新・KYOTO演劇大賞を受賞したとき、私は幸か不幸か審査員をしていた。
「ヒラカタ・ノート」は第12回OMS戯曲賞の特別賞に輝いた傑作である。
OMS戯曲賞の<特別賞>は、第2回の松田正隆「海と日傘」以来の快挙であった。
ごまのはえは、その後のぶんげいマスターピース工房2007 特別公演「競作・チェーホフ」でも最優秀だった。
私もそうだが、「ごまのはえ」という名前に違和感を憶える人は多かった。
「作家の名前じゃない」「呼ぶのに抵抗がある」etc・・・・。
演劇人や演劇ファンは、意外とマジメである。
不マジメなこと、くだらないこと、異端なことが好きなくせに、先入観でモノをみる嫌いがある。
思えば、ごまのはえがOMS戯曲賞で初めて最終選考に残ったのは第7回(2000年)の「風と共にドリフ」であった。
現在を予感するに充分な“すべてが嘘でキッチュな世界”(渡辺えり子氏/現・渡辺えり氏選評)。
あれから8年。ごまのはえは相変わらず、“嘘でキッチュ”だ。
変わったのは、まわりである。
「ごまのはえ」は誰もが、したたかな劇作家であり、演出家の名前だということを知ってしまった。
そうして、そういう状況を裏切るのがごまである。
チェーホフから何を掠め取り、みる者をだますのか。
誰にもマネできない異能ぶりに、いやでも眼がいってしまうのだ。



「ごまチェーホフ!?」
  土屋安見(京都労演事務局長)

チェーホフって面白い!!
そう思わせてくれる舞台になかなか出会ったことがない。
チェーホフで面白い舞台を創るのはなかなかに難しい。
めだった事件は起こらず、そこにはただ、幻想にとらわれ、
あるいは幻滅を抱えて生きる人間たちの日常が流れていく――
あれ? これって、ごまさんの描く世界に似てる!?
ごまさんの演出はあざとい、と私は思う。
昨年の『競作・チェーホフ』でのビデオ映像や歌謡曲の使い方もそうだった。
でも、そのあざとさを味方にしてしまうんですよね、
ごまさんって。したたかです。
おおいにふざけて遊んでいるように見せながら、実はその後ろにしなやかでナイーブな感性を潜ませる。
ずるいんです。
さてチェーホフの名作『三人姉妹』。
大作です。
そこに生きる登場人物たちをどう料理し、その心の奥から何を引っ張り出して見せてくれるのか。
ごまチェーホフの世界に、見事観客をおとしいれてくれるのを、楽しみにしています。



みなさん、様々な思いを持ちつつもごまのはえにかける期待は高いですね!
従来の三人姉妹とは一味も二味も違う作品になりそうですね。
チケットは絶賛発売中!!!
お見逃しなく。




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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

□PR 観劇が更に楽しくなる「ぶんげい演劇工房」も開催中!
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2008.08.12. 09:54 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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大木湖南 as クルイギン(フョードル・イーリイチ)
1995年佛教大学と同時に学生劇団「紫」に入団、ごまのはえを筆頭に個性的な俳優達に出会う。1999年ごまのはえ等と共に劇団ニットキャップシアターを旗揚げ。以降、ニットキャップシアターのほぼ全ての作品に出演。
2007年には初の海外公演を上海で行なう。
主な出演作品は「喉骨のフルート」「男亡者の泣きぬるところ」「愛のテール」など。





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尾方宣久 as ソリョーヌイ(ワシーリイ・ワシーリエヴィチ)
1973年2月13日生まれ 福岡県出身 MONO所属。
立命館大学の学生劇団「立命芸術劇場」を退団後、1994年よりMONOに参加。第14回公演『路上生活者』(作・演出:土田英生)以降の全作品に出演。その他、売込隊ビーム「最前線にて待機」(作・演出:横山拓也)、演劇計画2007『生きてるものはいないのか』(作・演出:前田司郎)、魚灯『善人の靴下』(作・演出:山岡徳貴子)などの舞台にも出演している。
第8回関西現代演劇俳優賞男優受賞





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岡部尚子 as イリーナ(俗にはアリーナ)
1974年11月5日生まれ
1997年ランニングシアターダッシュ入団
2005年の解散まで全作品に役者として出演。
番外公演として、3作品の作・演出も務める。

2007年空晴 旗揚げ
作・演出・役者・制作も兼ねた、劇団代表となる。

売込隊ビーム・スクエア・デス電所等関西の劇団にに客演したり、東京の劇団、ストレイドッグでは自身の過去の作品の演出をするなど、役者だけでなく、作家・演出家として外部でも活動。





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キタモトマサヤ as チェブトイキン(イワン・ロマーノヴィチ)
演出家・劇作家
遊劇体主宰
自ら演出する舞台には、たまに出演することはあるが、純粋に俳優としての参加は、1997年人間座『霞の谷に』以来、実に11年振りになる。
とても不安な気持ちでいっぱいです。





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高澤理恵 as フェラポント
北海道札幌市出身。
1999年早稲田大学観世会入会。観世流シテ方清水寛二師に指導を受ける。
2005年ク・ナウカシアターカンパニー入団。
能の経験と楽器演奏を武器に、東京の他パリ、インドなど海外公演にも参加。
2007年、劇団の活動休止と同時に京都に移住、今年より京都を拠点に活動を開始。今回の『三人姉妹』が京都初舞台となる。
11月には、アトリエ劇研プロデュースVOL.1『書庫(仮)』(作・演出/田辺剛)への出演も決まっている。





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長田美穂 as アンフィーサ
《舞台》
2006.9ぶんげいマスタービース工房Vol.1菊川徳之助演出ブレヒト「白墨の輪」京都府立文芸会館
2007.4笠井心演出、中島貞夫監督監修「KYOTO大正ラプソディー」中也100プロジェクト 京都府立文芸会館
2008.3村上弘子演出チェーホフ「頭取閣下と記念祭」アトリエ劇研
《映画》日韓合同映画「風のファイター」他
《TVドラマ》まんてん、恋する京都、赤い月、命の現場、暖流、他多数
《バラエティー》魔法のレストラン、ちちんぷいぷい、たかじんのどこまでやって委員会他多数
《Vシネ》ミナミの帝王
《VP》佐川急便、青汁、他多数
《CM》マクドナルド、日本直販、伊東マンション、藤商事、延田グループ、未来環境株式会社、J.comエコCM、京都府自動車税CM、京都府知事選挙CM、ダイヤモンドクリーニング他





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長沼久美子 as マーシャ(正式にはマリーヤ)
桐朋学園大学演劇科、青年座研究所を卒業後、裏表問わずフリーで活動。数々の稽古場を見学、お手伝いするうちに、気がつけば主に裏方スタッフとして全国をどさ回る泥まみれの20代前半。裏方の世界も魅力的だったが、俳優業に専念すべく裏方世界にさよなら、一転、花の芸能界へ足を踏み入れる。プロダクション所属。映像、声優業へと活動の幅を広げる。2003年鈴江俊郎率いる劇団八時半への客演をきっかけに正式入団、本拠地を京都へ移す。以降07年の劇団活動休止までの全作品に出演。その他劇団外の作品にも積極的に参加している。ごま氏とは、ニットキャップシアター「お彼岸の魚」への客演以来、2度目のお付き合いとなる。





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日詰千栄 as オーリガ(愛称:オーリャ)
昨年のぶんげいマスターピース工房 競作・チェーホフ『結婚申込』に引き続いての出演。
同志社大学入学と同時に劇団そとばこまちに所属。2001年退団後、フリー。
ひょろりと長い手足を武器におかしみを醸し出す役者として、数々の舞台や映像作品に出演。
独特ののびやかな声、地を這うようなゼロリとした声など七色の声を使い分け、歌手としてライブ活動も行う。
また女性ばかりの祇園囃子集団、平成女鉾清音会(へいせいおんなぼこさやねかい)の囃子方として、鉦や太鼓を叩く一面も。





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平岡秀幸 as ヴェルシーニン(アレクサンドル・イグナーチエヴィチ)
毛利菊枝演劇研究所修了、劇団くるみ座を経てフリーの俳優となる。演劇、バレエ、オペラ、舞踊、テレビドラマなど活動のジャンルは多岐にわたる。2005年文化庁在外研修員として渡英ロンドンにて研修を受ける。
京都市立芸術大学非常勤講師、大阪音楽大学非常勤講師、京都府立精神保健センター演劇プログラム講師。





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F・ジャパン as トゥーゼンバフ(ニコライ・リヴォーヴィチ)
佛教大学在学中、バンド「ピロティ」で活動する傍ら、フリーペー パー「バッグマガジン」にエッセイを連載。同誌で同じく連載していた劇団衛星代表・蓮行と出会い、演劇の世界へフェードイン。
2000年より劇団衛星入団。
劇団活動以外にも、マレビトの会等の演劇公演やダンス公演、テレビ・映画等、外部出演も多数。また、各種イベントへの出演や一人舞台の上演、ワークショップ講師なども務める。





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安田一平 as アンドレイ(セルゲーヴィチ・プロゾーロフ)
2001年よりニットキャップシアターに所属。
以降、劇団のほとんどの作品に出演。
2005年、「新・KYOTO演劇大賞」において「演技賞」を受賞。





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弓井茉那 as ナターシャ(ナターリャ・イワーノブナ)
1985年 京都府生まれ。
高校生の折、井土紀州監督、映画「ラザロ」に出演したことがきっかけで俳優活動を始める。
2004年劇団カウボーイダンス旗揚げに参加、所属。2006年解散。

2004年京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科 映像芸術コース入学。
故・佐藤真に学び、ドキュメンタリー制作を専攻する。
並行して、俳優向けの授業を履修。スタニスフラスキーメソッドと出会う。又、アトリエ劇研が主催するアクターズラボで学ぶ。

在学中に松田正隆演出 授業発表公演「Re:島式」出演。 コント企画弱男ユニットなど自主企画公演、またBaby-Peeなど学外の公演に出演。 林海象監督ネットムービー「探偵事務所5 2ndシーズン 送り火右・左」出演。 卒業制作、ドキュメンタリー「探し影」製作。
2008年修了。




※氏名の五十音順


2008.08.10. 16:21 | 出演者プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「三人姉妹」制作部です。

先日もこのブログにアップしていた「三人姉妹」の立て看板ですが、来られていないお客様に大きさが分かるよう、演出家のごまのはえ先生にモデルをお願いしまして、一般ワークショップの記録写真を撮りに来て下さっていたカメラマンに撮ってもらいました。

たいへんシンプルででっかい看板(おそらく会館史上初)ですが、実は近づくと手作り感満載です。
公演日が近づきましたら、また新たな(ぴかぴかの?)看板を立てる予定です。

なぜかシリーズ化されていく看板記事もとい看板に関する記事にもご注目下さい。


さて、看板と戯れているばかりでなくごまさんは稽古場で役者たちと芝居を面白くする為、日夜格闘しています。
その様子は、本日、8月6日(水)19時からの公開稽古で実際にご覧になれます。

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◆ 公開稽古
日程:8月6日(水)19:00-21:00 ※30分前受付開始 
会場:京都府立文化芸術会館ホール
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演出と俳優の共同作業をそのままお見せします。
公演当日では見られないものが、現場にはあります。
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鑑賞無料・申込も不要ですので、看板も見がてら、お気軽に会場へお越し下さい!
2008.08.06. 09:31 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
今週、工房ではどんな事があったか。
参加者はどんなことを考えているか。
毎週火曜日、創劇の現場からお届けします!

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★ 8月5日 「公開稽古を行なうにあたって」
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はじめまして、今回「三人姉妹」でクルイギン役を任されております、大木湖南です。

僕は、演出ごまのはえの主宰するニットキャップシアターという劇団に所属しておりまして、去年の「競作・チェーホフ」にも、ごま組として、オーリガ役の日詰千栄さんと共に出演させていただきました。
あれは「結婚申込」。夏の盛りの稽古場で、大声張り上げて、はっちゃけまくってました。
そして、それがまたこうして文芸の舞台に戻って来る事に繋がったというのは、大変幸せなことであります。

さて、そんなごま組直参の僕が、三日に行われた永田靖先生の学芸講座に行ってきました!
会場へ入ると、まずは、いくつかの資料が手渡されました。

 「戯曲の一部、(一幕冒頭と二幕の一部)」
 「三人姉妹のプロット」
 「三人姉妹・初演の舞台図」
 
これらの資料を使って、永田先生が「三人姉妹」を丁寧に解いていきます。
チェーホフの戯曲の特徴・「三人姉妹」の中にある、いくつかの主題・モスクワ芸術座での初演について…
「三人姉妹」の初演はスタニスラフスキーが手がけていたなんて、知りませんでした。恥ずかしながら。
ちなみに、スタニスラフスキーって芸名なんだそうですよ。
一通り講義が終わると、蜷川幸雄演出の「三人姉妹」を観賞。講座に来ていた出演者は、目を皿のようにして見ました。
僕も、どんな人がクルイギンやってるのかな〜?とか思ったり。(多分、他の皆も。)
講義の終わり際に永田先生が「演出家とは、まず戯曲に向き合い、それから、各々の切り口で戯曲を立ち上げていくものである」という旨の話をなされました。
講座にきていたごまのはえは「三人姉妹」をどんな風に立ち上げるんでしょうね〜。

という事で、8月6日に行われる、公開稽古についても、がっつり触れておきましょう!

見どころ1
今回の舞台はとっても変わった形、構造をしてまして、稽古はその舞台を想定して行われています。
ごまのはえが「三人姉妹」を大胆に自分流にしてやろう!っていう気構えがまず舞台美術に現れているんですね。はい。
本番前に舞台構造を知っておくのも、また一興じゃないでしょうか。

見どころ2
稽古はそんな舞台に負けない個性派たちが奮闘しています。
ごまのはえ演出の特徴は「濃い」こと。
彼自身も濃いですが、演出も「濃い」。
そして、「濃い人」が好きなんです。
たとえて言うと「とんこつラーメンにカレーをかけて食う」こんな感じです。
そしてまた、バカなことをさせるんです。濃い人に。「替え歌」とか。

見どころ3
変更
稽古場では台本に書いてあることが、どんどん変更されていきます。
その全てがごま流なので、そういった変更を言い渡される度に、「なんでこんな事を思いつくのか」という気持ちになります。
「何故、こんなくだらない事を思いつくんだ?」と。
そんなアイデアが生まれる瞬間を見るのも、オツなものでしょう?

本番はあと一ヶ月をきって、稽古場も勢いづいて来ています。ぜひ一度稽古を見に来てください、本番がより楽しめること請け合いです。
クルイギン役、大木湖南からのお知らせでした!

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大木さん、ありがとうございます!
ぶんげい演劇工房でのみ販売される「指定席券」は、もちろん公開稽古でも販売します。
実際の公演会場を見て席を選べる唯一のチャンスをお見逃しなく!


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京都府立文化芸術会館 Tel 075-222-1046 
ぶんげいマスターピース工房 Vol.2『三人姉妹』 
2008年8月30日(土)19:00 31日(日)14:00 

□PR 観劇が更に楽しくなる「ぶんげい演劇工房」も開催中!
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2008.08.05. 15:05 | チューズデーレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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中川酒店さんにフライヤーを置かせて頂きました〜!

おすすめはソーキそばと生うみぶどうです!
場所は出町柳から徒歩5分。
観劇帰りに是非どうぞ!


<中川酒店(出町柳店)>
河原町今出川上ル葵橋西詰仲ハウス1F

http://www.nakagawasaketen.com

安田一平
2008.08.04. 03:18 | 街置きチラシガイド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
カンパニーの皆様へ

ぶんげいマスターピース工房 Vol.2 「三人姉妹」の挟み込みは、
8月30日13:00から、京都府立文化芸術会館にて、700部一斉でおこないます。

よろしくお願いいたします。
2008.08.01. 00:00 | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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